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Inkscape用語集

 Inkscapeで用いられる用語の意味をメモしていきます。

 一般的なコンピュータ用語は除いてあります。

 Inkscapeの独自の用語もありますが、多くの用語はInkscapeがメインのデータ形式としているSVG形式データの仕様で定義されている用語です。


用語集

(2023.08.24更新)

「アウトライン」

図形(シェイプ、パス)の形を表す線。図形の表示は、アウトラインに沿ってストロークを描いたりアウトラインの内側(フィル)を塗りつぶしたりして行う。パスエフェクトを適用した場合は、変形元のアウトラインと変形先のストロークが一致しない場合がある。なお、アウトライン表示モードで表示される細い線もアウトラインと呼ばれているが、こちらはパスエフェクトの有無に関係なく、ストロークを細い線に置き換えて表示したもの。 

「アンセット」

オブジェクトの個々の属性に何も属性値が設定しないこと、または、設定されていない状態。例えばフィルの「塗りなし」は塗りつぶしなしを意味しますが、フィルのアンセットはフィルとして何も設定してない(「塗りなし」ですらない)状態を意味します。

「インセット」

パスやシェイプを同じ幅で内側に縮めること。または、縮めたオブジェクト。
アウトセットはその逆で外側に広げること。 

「エクステンション」

スクリプトとして記述されたもので、Inkscapeの基本操作を組み合わせたマクロのようなもの。オリジナルのエクステンションを追加することも可能。

「オブジェクト」

キャンバスに描かれた部品の総称。シェイプやパスやビットマップ画像を指す。 

「クリッピング」

オブジェクトの表示の全体から、クリッピング用の枠(クリッピングパス)を使って切り取った一部分だけ表示させること。

「シェイプ」

アイコンから選択して入力可能な基本的な図形。

「自動折り返しテキスト」 

(Illustratorでいうところのエリア内文字) 
テキストオブジェクトのハンドルをドラッグすることで、その右端の位置を指定したもの。右端より右側に追加しようとした文字は自動的に折り返されて次の行の左端に表示される。

「ストローク」

シェイプやパスの線や枠。アウトラインにスタイルを適用して表示されるもの。

「スウォッチ」

色見本のこと。オブジェクトに塗る色の候補(選択肢)。 
フィル/ストロークダイアログ、スウォッチダイアログ、カラーパネルに一覧表示される。 

「スナップ」

マウスで図形をグイッと引っ張って調整しようとすると、所定の区切りのところまでピョンとワープするように移動する動きのこと。

「ダイアログ」

(Illustratorでいうところのパネル
パラメータを設定するフレーム。目的別のダイアログがあり、タブを選択することで表示を切り替える。 

「デスク」 

(Illustratorでいうところのカンバス
キャンバスの中のページ枠の外側の領域。

「ドキュメント」 

(Illustratorでいうところのアートワーク
Inkscapeで編集するファイル単位のデータのこと。

「ノード」 

(Illustratorでいうところのアンカーポイント
パスの線(セグメント)のつなぎ目にあたる部分。「○」や「◇」の形のハンドルで表示される。 

「ノードハンドル」

パス上のノードのところでの曲がり具合を調節するためにノードから伸びた「ヒゲ」の先に表示されるハンドル。「〇」の形で表示される。

「バウンディングボックス」

オブジェクトの上下左右をぴったり囲った四角形(矩形)。複数のオブジェクトでは、オブジェクト群全体をぴったり囲った四角形になる。

「パス」

線の単位(セグメント)を連結したオブジェクト。

「パスエフェクト」

英語では「Live Path Effects(ライブパスエフェクト)」、略してLPEと呼ばれる。パスオブジェクトをその表示の際に自動的に編集する(そして編集した結果を表示する)マクロのようなもので、そのパスオブジェクト自身の属性の1つとして設定される。

「パターン」

オブジェクトを塗りつぶすために繰り返される模様。一色で塗りつぶす代わりにパターンを使って塗りつぶすことができる。あらかじめ用意されているパターンもあるが、自分で描いた模様をパターンとして登録することもできる。 

「フィル」

アウトラインの内側。 

「フィルタ」

オブジェクトの表示の際に、あらかじめ設定しておいた画像変換処理を実行して、その結果を表示する機能として、SVG形式の標準仕様になっている機能。 

「フィルタプリミティブ要素」

英語では「Filter primitive elements」 。個々のフィルタを定義する際に用いる、画像変換処理の最小単位を部品化したもの。SVG形式の要素(エレメント)として定義されている。

「ページ」 

(Illustratorでいうところのアートボード
キャンバス上に固定された四角形で表示され、印刷等の対象になる「紙」に相当する領域。

「マスキング」

対象のオブジェクトに対して、マスキング用のパス(マスクパス)を重ねて、重なった部分のマスクパスのフィルやストロークの透明度と明度に応じて対象オブジェクトの透明度を変えて表示させること。

「SVG」

Scalable Vector Graphicsの略。
Webブラウザで直接表示できるベクタ形式として標準化されている。
InkscapeはこのSVG形式を独自に拡張したもの(Inkscape SVG)をベースのファイル形式にしている。

用語集