このページでは、Inkscapeの「ストロークの継ぎ目の限界長」とは何か？についてメモしたいと思います。
（参考：オブジェクトのスタイルを設定する）
（参考：角の丸結合がうまく表示されない）
(2023.03.27更新）
ストロークの角の部分のスタイルとしてフィル／ストロークダイアログなどで設定できるパラメータには、角の形の種類に加えて、継ぎ目の限界長というパラメータがあります。
フィル／ストロークダイアログを見てみると、角のスタイルを設定する部分は次のようになっています。
左から、斜結合（斜角、Bevel）、丸結合（丸形、Round）、角結合（留め継ぎ、Miter）などと呼ばれています。
このうち、角結合（留め継ぎ）については、さらに右側に数値を指定する欄があって、これはInkscapeでは継ぎ目の限界長と呼ぶパラメータになっています。
このパラメータにはどういう意味があるのか？
角結合（留め継ぎ）を設定した角は、単純に描こうとすると次の例のように角度が小さくなるほどどんどん長く伸びてしまうという性質があります。
そこで、あまり先端が伸びてしまうような場合は、その先端を斜結合のように切り落とした形で描くようになっています。どのぐらい先端が伸びてしまうときに切り落とすのか、その長さの上限として設定するのが継ぎ目の限界です。
この継ぎ目の限界というパラメータは、Inkscapeの独自仕様ではなく、SVG形式の標準パラメータとして定義されているものです。
継ぎ目の限界は、ストロークの幅を１．０としたときの相対的な値で指定します。（Inkscapeでは「限界長」と日本語表記されますが、長さというよりは長さの比率とでも言うべきパラメータです）
継ぎ目の限界を小さめに設定すると、次の例のように、角度が大きいときは角が尖っています（左）が、角度を小さく変更すると角が切り落とされて描かれる（右）ように切り替わります。
