Inkscapeのストロークの角のところを丸くなる（丸結合にする）ように設定しても、そのとおりに表示されないことがあるということで、このページに詳しくメモしておきたいと思います。
Inkscapeでは、フィル／ストロークダイアログ上で「角」というラベルの右側に並んでいる、次のような３つのボタンのうちのいずれか１つをクリックすることで、ストロークの角（コーナー）の形をどのように描くかを切り替えることができ、このうち丸結合（３個のボタンのうち真ん中のもの）を選ぶと、角が丸く描かれるようになります。
ところが、ストロークの幅（太さ）が小さいときに限り、この丸結合が正しく描かれないことがあります。
(2023.04.12更新）
ネットで検索すると、どうやらInkscapeがストロークの描画処理に用いているグラフィックライブラリのバグらしい（そのため、Inkscape側では修正するのが難しいらしい）のですが、何とも妙な動きなので、たまたまこのケースに当たるパスを描こうとして「ハマって」しまうことがあるかもしれません。
次の例は、丸結合を設定したストロークの幅を異なるものにした例です。左から幅を「2.7 px」、「1.3 px」、「0.4 px」に変化させたものです。非常に細く表示されるストロークのときに起こる現象なので、だいぶズームアップしてあります。
左側と右側のパスはちゃんと角が丸く描かれていますが、どういうわけか、真ん中のパスは赤いものも緑のものも角が丸くなっていません。ある幅からある幅までの間の幅で表示されるストロークのときにこうなります。
簡単な解決策として、ストロークの幅が（画面上の大きさとして）小さめのときだけ起こるらしいので、描いた絵の全体を上の例よりも見た目で大きい幅になるように拡大してから編集すれば発生しなくなります。
少し面倒な解決策としては、角の形状を自由に設定できるパスエフェクト（連結タイプ）を適用して、丸型を設定するという方法があります。