このページでは、Inkscapeを使ってグラデーションの色をパレットから変更する手順についてメモしておきたいと思います。

(2025.02.25更新)
(参考:グラデーションを作る)
Inkscapeのパレットに並んでいる色をマウスでドラッグして、キャンバス上のオブジェクトのフィルやストロークの上でドロップする(マウスボタンを離す)と、ドロップしたところをその色に変更することができます。
「オブジェクトを選択→パレットの色をクリック」という手順に比べて、たくさんあるオブジェクトの色を次々に変更したいような場面でいちいちオブジェクトの選択を繰り返さなくて済むので効率がいい場合があります。
グラデーションの色をパレットを使って変更したいような場面でも、グラデーションパスの上の分岐点を選択しておいて、パレットの色をクリックするという手順で変更することができます。

この場合も、たくさんある分岐点をいちいち選択しないといけないので少し面倒ですが、パレットに並んでいる色をマウスでドラッグして、グラデーションパスの分岐点の上でドロップすれば1アクションで色を変更することができます。
それ以外にも、グラデーションパスの分岐点の色をパレットを使って変更する特殊な手順があるので、まとめておきたいと思います。
分岐点のノード上でドロップ
グラデーションパスの分岐点のノード上でドロップすると、その色が分岐点に設定されます。

分岐点のノードの近くでドロップ
分岐点ではないところにドロップすると、ドロップした位置に一番近い分岐点にその色が設定されます。

分岐点を選択してドロップ
分岐点を1つ選択した状態でどこかにドロップすると、選択した分岐点にその色が設定されます。

複数の分岐点を選択してドロップ
複数の分岐点を選択した状態でどこかにドロップすると、選択したすべての分岐点にその色が設定されます。

グラデーションパス上にドロップ
グラデーションパスの上(分岐点のないところ)にドロップすると、その色が設定された分岐点がドロップした位置に追加されます。

ドラッグではなくクリックした場合
グラデーションパスを表示した状態で、かつ、1つも分岐点を選択していない状態で、パレット上の色をクリックすると、グラデーションの設定がクリアされて、その色で通常の塗りつぶし(単一色での塗りつぶし)が行われます。要するに、オブジェクトを選択した状態でパレットをクリックしたときと同じということです。

このことについてInkscapeのリリースノートでは「Selecting a color from the color palette when no gradient node of the selected object is selected will automatically apply the color to the first gradient node of the selected object.」という不思議な言い回しの説明をしていますが、おそらくこれは「単一色で塗りつぶされたオブジェクトには、グラデーションの分岐点が1つだけ存在する(つまり変化のない均一の色)」ということを説明したものと理解しました。言い換えればグラデーションを設定する操作というのはオブジェクトに必ず存在する1つ目の分岐点(すなわち単一色の分岐点)に2つ目の分岐点を追加する操作を意味しているのだろうということです。※個人の勝手な想像です。