勉強したこととは別に、ちょっと考えたことをここにメモしておこうと思います。
Inkscapeを使っていて思うこと
( Inkscapeの使いにくさについて )最近Inkscapeユーザのネット上での声を探して読むことが多いです。すると「Inkscapeは使いにくい」という感想をよく目にします。実際使いやすいソフトかというと正直使いにくいと思う機能も多いですが、それよりもInkscapeの場合ユーザ向けのマニュアルコンテンツが(下に書いてあるように)整備されていないので、「使いにくく感じるのは分かりにくいから」という面が強いとも思います。「使いにくい」というネット上の声にももう少し具体的にどの操作がどんなふうに使いにくいと感じるのが書かれていれば、その操作について調べてこのサイトにまとめることもできるかもしれないなと思ったり。
( マニュアルについて )Inkscapeには、正式かつ最新バージョンに対応したマニュアルというものがありません。Inkscapeのサイト(inkscape.org)からリンクされている「マニュアル」や「チュートリアル」はかなり詳しい内容になっていますが、最新バージョンで変化してしまっている部分も多いし、マイナーな機能についてはあまり触れられていません。バージョンアップする度に公開されるリリースノートはかなり詳細な内容になっているので助かるのですが、バージョンアップする度に変更点を頭の中でマージして最新の状態がどうなっているのかを把握するのはなかなか大変です。機能の改良それ自体の優先順位が高いのはわかりますが、解説コンテンツも最新バージョンに追いついてくれると助かるなあ。マニュアルみたいな本格的なものでなくてもメモみたいなものでもいいかな。
( 異常終了について )以前のバージョンはほんとに異常終了することが多かったです。経験的には、オブジェクトのコピペをしようとするとペースト操作直後に異常終了することが多かったです。バージョン1.2でほぼなくなり、ストレスがなくなりました。修正を行ったみなさん、ほんとにありがとうございます。
( 動画解説について )ソフト(Inkscapeも含めて)の使い方を動画で解説してくれるものがたくさんありますが、1本の動画の中で説明できるポイントは多くないので、今知りたいポイントがどの動画で解説されているかをまず探す時点で、ひたすら動画を見まくらないといけない(そして1本あたりもそれなりに時間がかかる)のはどうしたものでしょうか。操作手順を動画で紹介する形式は分かりやすそうに思っていましたが、実際に見てみると早口だったり細かいところを端折りがちになっていて、本当のところはちゃんと理解できないことも多い・・・。個人的には何度も読み返せて検索もしやすい文字中心の解説コンテンツのほうが便利だと思っています。
( オブジェクトの属性の呼び名について )オブジェクトの「属性」を意味する用語として、プロパティ(property)とアトリビュート(attribute)という用語があって、どう違うのかよく分からないが、Inkscapeでも両方使われていて、どっちを指したつもりなのか分かりにくくて困ります。「イメージのプロパティ」というメニューを選ぶと「オブジェクトの属性(英語版の表記はattribute)」というダイアログが開いたりするので、とてもややこしいです。ネットで検索しても、場面によって謎の使い分け方があるようで、何とかならんもんかと思います。
今後追加していきたい情報や調べている途中の情報
( パスエフェクトとエクステンション )パスエフェクトとエクステンションは数も多いし、Inkscapeのオフィシャルな解説コンテンツもないので、自分でちまちま試しながら機能を推定するしかないのが現状ですが、すぐ使いたいようなものも混じっているので、そろそろ本腰を上げて取り組んでみたいものです。
( フォントの追加や削除 )環境設定ダイアログからユーザごとにフォントを追加することができるようになりました。OSレベルでインストールされているフォントやInkscapeのパッケージレベルで提供されているフォントに加えて、自分でフォントファイルをダウンロードして使えるようになりました。前のバージョンでは、正式な方法なのかどうかわかりませんが、直接設定ファイル(〇〇.conf)を修正する手順ぐらいしかありませんでした。逆にあまり使わないフォントをInkscapeのダイアログに表示させないようにする手順も調べたいところ。
( Q&A形式に )Inkscapeには細かい機能がたくさんあるので、次にどの機能について調べるかを自分で選んでまとめていくのには限界があると思ってます。そこで、ネット上に転がっている「Inkscapeのこの機能がわからない!」という声を拾って、それに勝手に答えるような情報を追加していくことを考えています。それを繰り返していけば、Inkscapeの情報として充実させられるのじゃないかと期待しています。(ほんとうは、知りたいことを直接教えてくれる方がいらっしゃれば効率がいいのですが 笑)
( テキストツールの使い方 )テキストツールで文字を入力するときの動作について今更ながら調べ始めましたが、途中でテキストツールの仕様も大きく変わっているし、テキスト特有の性質がからんできたりして、網羅的に説明されていると感じられるコンテンツを発見できないでいます。試行錯誤でいじってみて自分で調べてみるしかなさそう。
( カラーモデルについて )Inkscapeで描いた絵の印刷を行うときにカラーモデルというものを気にするのが常識であることを今更ながら知りました。RGBで描いて印刷時に適当に変換してくれるものと思っていたら、そんなにうまく変換できないのですね。ほとんどの場合はすこしぐらい色が変わってしまってもいいやと考えるのでしょうけれど、本格的な絵の場合は問題になるのでしょう。アドビ社のツールはこの問題に対応しているらしくて、Inkscapeもその点でよく比較されているけど、比較した結果どうなのかはなかなか難しくてすぐ理解できません。少し時間をかけて勉強してみたいところです。
その他のメモ
( Inkscape解説本の新刊 )2023の正月にver1.2に対応した解説本が「Inkscapeパーフェクトガイド」というタイトルで出ました。内容はオーソドックスな入門書で、初歩的な図形の入力手順やファイルの保存手順などから始めて網羅的に解説されています。少しだけ時間をかけて使ってみればこの本がなくても自然と理解できるであろう内容が多いですが、すばやく調べたいときはやはり紙で書かれていると便利かもしれません。なお、欠点ということではもちろんありませんが、ネットで調べても見つけにくい、使い込む過程でつまずきそうなポイントについてはあまり盛り込まれていないです。そういう細かい情報だけで1冊にまとめられればいいのでしょうけれど、それでは読者数が限られてしまうのでしょうがないところです。その辺は今後も自力で調べていきたいと思います。