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Inkscapeのスポイトツールの詳細

 このページでは、他のオブジェクトのクリックした位置の色を取り出して、自オブジェクトの色に設定するという、スポイトツールについて紹介していきます。

(2023.12.19更新)

スポイトツールの基本操作

 色を変更したいオブジェクトをあらかじめ選択しておいて、ツールボックスでスポイトツールを選択し、キャンバス上で使いたい色が付いている場所をクリックすると、あらかじめ選択しておいたオブジェクトのフィルの色がクリックした位置の色になります。

 シフトキーを押しながらクリックすると、フィルではなく、あらかじめ選択しておいたオブジェクトのストロークの色がクリックした位置の色になります。

 「スポイト」という言葉から浮かぶイメージでは、まず色をクリック位置から吸い上げて、次に色を変えるオブジェクトをクリックする、という手順を想像しがちですが、そういう手順では色を変えられません。色を変えたいオブジェクトを先に選択状態にしておくところがポイントです。

特殊な使い方

 変わった使い方としては、クリックではなくドラッグをすると、ドラッグしたところに円が表示されて、その円の中の色の平均値が使われます。平均値なんて正確には予想できるはずもないですが、実際のパレットから絵筆で複数の絵の具をすくい取って塗る作業を想像すればなんとなくわかります。

 スポイトツールを選択しているときのツールコントロールバーには、採取ボタンと割り当てボタンがあって、採取ボタンをオンにすると不透明度も採取し、さらに割り当てボタンをオンにすると採取した不透明度をあらかじめ選択しておいたオブジェクトに適用するそうです。

 と言っても、何を言っているのかわかりませんね。もう少し細かく書くと以下のようになります。

  (参考:不透明度についてのあれこれ

採取ボタン「オフ」割り当てボタン「オフ」

 クリックした位置の見た目の色を不透明度100で塗ります。クリックした位置の不透明度の値は無視されます。不透明度に応じて色が混じっている位置をクリックすると、混じった結果として見えている色の値を吸い上げるという感じです。

採取ボタン「オン」割り当てボタン「オフ」

 クリックした位置の見た目の色を不透明度100にしたときの色で塗ります。例えば、クリックした位置に赤のオブジェクトが1つしかなく(重なっておらず)、不透明度が25だった場合、見た目には薄いピンクに見えているはずですが、不透明度を100に直して濃い色に戻した赤色で塗ります。例えば、クリックした位置にオブジェクトが2つ重なっていて、一方が赤で不透明度25、もう一方が青で不透明度25の場合、見た目には薄い紫に見えますが、合わせてちょうど不透明度100になるように赤と青を混ぜた色(濃い紫)で塗ります。…いや、そう言っても難しいですね。

採取ボタン「オン」割り当てボタン「オン」

 クリックした位置の見た目の色になるような色と不透明度で塗ります。例えば、クリックした位置に赤のオブジェクトが1つしかなく(重なっておらず)、不透明度が25だった場合、見た目には薄いピンクに見えているはずですが、赤で不透明度も同じ25で塗るので、塗った先も薄いピンクになります。例えば、クリックした位置にオブジェクトが2つ重なっていて、赤で不透明度25、青で不透明度25の場合、見た目には薄い紫に見えますが、赤と青を混ぜた色(濃い紫)を見た目の薄い紫と同じ色になるような不透明度で塗ります。うーん、やっぱりよくわかりません😅。