このページでは、Inkscapeのフィルタエディタ上ではカラーマトリクスと表示されるフィルタプリミティブ要素を紹介します。
この要素の基本的な機能は、パラメータとして指定された行列と、入力画像の各ピクセルのR値G値B値A値(の列ベクトル)との積を、変換後のR値G値B値A値にするというものです。
(2023.05.24更新)
さらに、行列として特殊な(固定の)行列を使うことで、飽和(saturate)、色相循環(hueRotate)、アルファの輝度(luminanceToAlpha)という典型的な色の変換も可能になっていて、この場合は変換方法の名前をパラメータとして指定するだけで済みます。
行列、飽和、色相循環、アルファの輝度のいずれを使って変換するかは、タイプというパラメータで選択します。
タイプ:行列
RGBA値の変換は次の式に従って行われます。

フィルタエディタ上では、a00~a34の5行4列の行列を指定します。画面上では、行列の要素ごとに編集することができます。

タイプ:飽和
値というパラメータに従って、画像全体の彩度を変化させます。
タイプ:色相循環
値というパラメータに指定された角度(0°~360°)に従って、色相(赤や青などの色の種類のことで、よく色相環として表現されるもの)を回転させます。0°が赤(#FF0000)のようですが、はっきりとは分かりません。
タイプ:アルファの輝度
指定するパラメータはありません。変換元のピクセルの輝度をそのまま不透明度にします。輝度が最大であれば不透明度も最大になります。不透明度以外のR値G値B値はいずれもゼロに固定されます(すなわち黒になる)。
(参考:フィルタとは何か)