このページでは、Inkscapeの組み込みフィルタの1つである、オブジェクトの下に影を追加してくれるフィルタを紹介します。

(2023.06.16更新)
このフィルタを適用するには、プルダウンメニューで光と影 > 影を落とすを操作します。
もちろん、ぼかしを入れた同じ大きさのオブジェクトを描いて、少しズラして下に重ねれば、フィルタを使わずに影を付けることはできますが、複数のオブジェクトにまとめて影を付けるときはこのフィルタのほうが便利です。
なお、ピクセル単位でぼかしを入れるものではなく、オブジェクト単位でぼかしを入れるものなので、ビットマップ画像オブジェクトの内側の画像に全体にわたってぼかすような効果はありません。
サンプルで試してみました。
このサンプルでは、影を落とすフィルタとは直接関係はないのですが、影を付けたときに切れ端のところが自然に見えるように、まずラフフィルタ(変形 > ラフ)を使ってギザギザにしてみました。

そして、影を落とすフィルタを適用します。
影を落とすフィルタは設定時にパラメータを指定するダイアログが表示されます。

ぼかし半径とオフセットで、影の広がり具合と上下のズレ幅を指定します。ぼかしの色で黒以外を指定することもできます。

なお、これまでは影のタイプとして外側を指定していましたが、他のタイプを指定すると次のようになります。左から、内側(アウトラインの内側に影)、外側を切り取り(外側の影だけ残す)、内側を切り取り(内側の影だけ残す)、影のみ、をそれぞれ指定しています。