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Inkscapeのフィルター:コミック

 このページでは、Inkscapeの組み込みフィルタの1つであるアメコミ風の絵柄に変換してくれるフィルタを紹介します。

(2023.07.03更新)

 このフィルタを適用するには、プルダウンメニューで非写実的3Dシェーダー > コミックを操作します。

 フィルタエディタでこのフィルタの構成を見てみると、次のようになっています。

 ガウスぼかしを使って元のオブジェクトの形に沿ってばらついた不透明度のビットマップを生成して、変位マップを使ってその不透明度に応じた移動距離で元のオブジェクトの各ピクセルを斜めに移動することで、光と影を塗り分けたようなアメコミ風の絵柄を作り出しています。

 まずガウスぼかしをかけた状態(左)を次の合成で演算子XORを使って合成することで、エッジ部分の不透明度が高い画像(右)を生成します。

 この画像の不透明度の値(RGBAのA値)を変位マップに入力することで、元の画像の各ピクセルを移動します。すると次のように元の画像の一部を白抜きしたような絵になります。

 あとはこの画像から元のオブジェクトの外側に出張っているところを消すために、合成の演算子にInを使います。

 なお、デフォルトのパラメータはガウスぼかし変位マップの値が大きすぎてこんな感じにならないので、この例ではガウスぼかし標準偏差を5→0.4に、変位マップ尺度を100→2.5に調整しています。