このページでは、Inkscapeのバッチエクスポート機能を実際に使ってみた結果を紹介したいと思います。
(参考:バッチエクスポート機能)
次のようなサンプルドキュメントで試してみます。
ちょっと分かりにくいですが、2つのページにそれぞれ「P1」「P2」というラベルを付けて、3つのレイヤに分けてそれぞれにオブジェクトを描いています。
「P1L1」はレイヤ1(L1)かつページ1(P1)に描かれているオブジェクトであることを示しています。
レイヤーダイアログで見ると、つぎのようになっています。

オブジェクトのラベルも見た目に合わせてページとレイヤが区別できるように変更してあります。
このドキュメントでバッチエクスポートを試してみます。
まずすべてのオブジェクトを選択しておいて、その選択したオブジェクトをオブジェクトごとにファイルにエクスポートしてみます。
エクスポートダイアログでは次のような指定をしました

ダイアログの一番上のところでは選択範囲を選びます。
エクスポートを追加ボタンを1回クリックすることでエクスポート先を2つにして、それぞれPNG画像とJPEG画像として保存するように指定します。サフィックスは画像の形式を表すものにしました。
ファイルパスの共通部分には「C:\tmp\sample」を指定しました。こうすればエクスポートされるファイルは「C:\tmp\sample_〇〇」というファイル名になります。
この指定内容でエクスポートボタンをクリックすると、C:\tmpの下に次のような画像ファイルがエクスポートされます。

オブジェクトごとにPNGファイルとJPEGファイルが保存されていますが、ページ1のほうのオブジェクトはエクスポート対象のオブジェクトに重なって他のオブジェクトが描かれている状態なので、その重なっている部分も見た目のままエクスポートされています。
重なっている部分を無視してエクスポート対象のオブジェクトだけを保存したい場合はダイアログ上で選択中のもののみエクスポートにチェックを入れます。すると次のように重なっている他のオブジェクトは自動的に除去された状態でエクスポートされます。

次に選択範囲に替えてレイヤごとにエクスポートしてみます。
ダイアログの一番上のところでレイヤーを選んで、エクスポートボタンをクリックします。他の指定内容は変えていません。

レイヤ1にはP1L1とP2L1の2つのオブジェクトが描かれているので、その2つがまとめて1つのファイルにエクスポートされます。
次に選択範囲に替えてページごとにエクスポートしてみます。
ダイアログの一番上のところでページを選んで、エクスポートボタンをクリックします。

今度はページ1に描かれている3つのオブジェクトがまとめて1つのファイルにエクスポートされます。