このページでは、Inkscapeで図形Aに図形Bを内接するように変形する方法を考えてみました。

(2024.08.02更新)
正方形に円を内接
まず正方形に内接する円の描き方です。
正方形に対して適当な大きさで円(正円)を描きます。

回転中心にスナップするように設定しておいて、正方形と円の中心を合わせます。

ノードをパスにスナップするように設定しておいて、Ctrlキー+シフトキーを押しながら円の下側のハンドルをドラッグしていき、正方形の辺にスナップさせます。

キーを押しながらドラッグしているので、回転中心を動かさずに拡縮され、結果的に上下左右の辺にぴったり接する形にすることができます。

正三角形に円を内接
やることは正方形の場合と同じです。

正三角形に星を内接
内接させたい図形が星形の場合は少し事情が変わります。

同じようにCtrlキー+シフトキーを押しながら星形の下側のハンドルをドラッグしていき、正三角形の辺にスナップさせると、下辺はぴったり重なりますが、それ以外の頂点は重なりません。よく見ると右上の頂点はすこしズレています。

そこでCtrlキーを押しながら回転中心を垂直にドラッグして正三角形の下辺にスナップさせ、

Ctrlキー+シフトキーを押しながら星形の下側以外のハンドルをドラッグしていって、他の頂点も正三角形の辺にスナップさせます。こうすると下側の2つの頂点を正三角形の下辺に重ねたままで他の頂点を移動することができるというわけです。

三角形に円を内接
次は正三角形ではなく任意の形の三角形に内接する円の描き方です。

まず三角形を複製して、その1辺を削除します。「セグメントの削除」の要領です。

その1辺を削除したパスを選択しておいて、「角の二等分」というパスエフェクトを適用します。すると角の二等分線に変換されます。

この二等分線を選択したままでオブジェクト > オブジェクトをガイドにを操作します。二等分線に沿ったガイドラインが現れます。

同じことを残りのもう1つの頂点についても行います。(分かりやすくなるように3本引いています。)

再び三角形を複製し、その回転中心2本のガイドラインの交点にスナップさせます。

その回転中心から三角形の辺の1つに向けて垂線を描きます。

そしてこの垂線を回転して垂直にします。「図形を回転させて水平にする」と同じ要領です。

そしてこの垂直線の端に円をスナップさせます。「所定の中心点と半径の円を描く」と同じ要領です。

そうすると他の辺にも接する円になります。

多角形に三角形を内接
次にどんな形のものでも多角形に三角形を内接させる手順を考えてみました。
対称なところが無ければ三角形の頂点を1つずつスナップさせるしかなさそうです。

まず三角形を移動して頂点1を多角形の辺にスナップさせます。

その頂点1に回転中心をスナップさせます。

Ctrlキー+シフトキーを押しながら拡縮して頂点2を多角形の別の辺にスナップさせます。

再び回転中心をドラッグして、今度は頂点1と頂点2の間にある頂点にスナップさせます。

そしてCtrlキー+シフトキーを押しながら拡縮して残った頂点3を多角形の別の辺にスナップさせます。
