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Inkscapeでリング状のパターンを描く

 このページでは、Inkscapeを使ってリング状に一周しているパターンを描く方法について考えてみました。

(2024.07.30更新)

 「パスに沿って並べる方法」や「回転コピー」など、1つの絵図をリング状に配置する方法はInkscapeにもいくつかありますが、それぞれに出来ることと出来ないことがあって、やりたいことに合わせてどの方法を使うかを考えないといけません。

 ここでは自分で描いたオブジェクトを円の中心に向かって丸めた形にしたいので、パスエフェクト版の「パスに沿うパターン」か、または「曲げる」というパスエフェクトが使えそうです。

 ただし、「パスに沿うパターン」は円の中心に向かって丸めた後のパスのスタイルは丸める前のスタイルではなく、スケルトンパス(変形後の形を示すパス)のほうのスタイルになってしまうので、少し思った結果とは違います。

 「曲げる」エフェクトであれば、曲げる対象のパスのスタイルはそのままに、パスの頭と尻尾をくっつけてリング状にすることができます。その代わり、同じオブジェクトを繰り返して並べることはできないので、そうしたい場合はエフェクトを適用する前にあらかじめ同じオブジェクトを手で並べておく必要があります。

 具体的にやってみます。

 次のようにリング状にする前のオブジェクトと、円オブジェクト(をパスに変換したもの)を1つ描きます。

 円のほうをあらかじめクリップボードにコピーしておいてから、パターンにするオブジェクトに「曲げる」エフェクトを適用して、クリップボード上の円オブジェクトをコントロールパスに指定します。「曲げる」エフェクトはコントロールパスが閉じたパスでも機能して、適用先のパスの始点と終点がリング状に重なるように丸められます。

 エフェクト適用後にコントロールパスを編集したりパターンの幅を変更したりすることができるので、上のように真ん中に「穴」のない形に変形することも可能です。

 円周方向ではなく、中心に向かう方向に沿って形やスタイルに変化を付けることももちろん可能です。

 また、中心に対して斜めの図形も丸めてつなげることができます。

 

 「曲げる」エフェクトを適用する前に左右の端を上手く切り取れば、互いに重なり合っているように見えるシームレスなパターンをリング状にすることもできます。