このページでは、Inkscapeユーザのみなさんが意外に困っているらしい「異常終了時に編集中だったデータ」についてメモしておきたいと思います。
(2024.09.11更新)
といっても単にInkscapeの自動保存(オートセーブ)機能のはなしです。
Inkscapeが異常終了したとき、たいていの場合編集中のデータを緊急保存するというメッセージとともに緊急退避用のファイルに自動的に保存してくれるので、異常終了したときの状態から編集を再開することができますが、まれにそのメッセージを出さずにパッとウィンドウが消えてしまうときもあります。
そうすると編集中のデータは全て消えてしまうので大騒ぎです。
そうならないようにあらかじめ対策しておきます。
Inkscapeでは編集中のデータを特定のフォルダに定期的にかつ保存日時ごとのファイルに保存してくれる機能があり、これを有効にしておくとInkscapeがいきなり異常終了したときもほんのちょっとだけ異常終了時よりもさかのぼって編集をやり直すだけで済むのでそこそこ安心です。
どうするかというと、メニューで編集 > 環境設定を操作して環境設定ダイアログを表示し、自動保存という項目のところで自動保存を有効にするにチェックを入れ、保存先のパス、自動保存の間隔、自動保存するファイルの数の最大数(上限)を設定するだけです。

ただし、困ったことにInkscapeのインストール直後の初期設定では(Windowsの場合ですが)エクスプローラで表示されないフォルダが「自動保存先ディレクトリ」にセットされています。コマンドプロンプトからは表示できるフォルダなんですが・・・。これでは自動保存されたファイルを取り出したいときに不便なのでフォルダを変更しておけばいいのですが、Inkscapeを使っているとときどきインストール時初期設定にリセットしたいことがあって、その度に「自動保存先ディレクトリ」も手で直さないといけないのでちょっと面倒です。
自動保存するときにInkscapeの動作が遅くなるような感覚はないので、短めの時間間隔を設定しても困らないと思います。個人的にはずっと「1分おきに保存する」設定にしていますが、全く気にならないです。
設定すると、次のように名前に保存日時を含むファイルで保存してくれます。1つ前に自動保存してから何も編集操作を加えてなかった場合は次の保存タイミングになっても自動保存は実行されないようです。また、同時に複数のドキュメントを編集している場合でもドキュメントごとのファイルに保存してくれます。

「Inkscapeがコケた!」というときはこのフォルダに行って最新のファイルをInkscapeで開けば少し過去のデータから直前までの編集操作をやり直してコケたときの状態に戻すことができると思います。
残念ながらどんな編集操作をやり直せば元に戻るかは、目で見て判断するしかなさそうですが。