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Inkscapeで2つの円の両方に接する線を描く(簡易版)

 このページでは、Inkscapeで接線になる位置にパスをスナップさせる機能を使って2つの円の両方に接する線を描けるかどうかを試した結果をまとめたいと思います。この結果で満足できるなら「2つの円の両方に接する線を描く」のほうで書いた面倒な手順に替えて簡易な手順として使えそうです。

(2024.11.29更新)

 次のように2つの円と1本のまっすぐなパスを描くところから始めます。

 接線になる位置にパスのノードをスナップするようにスナップダイアログで設定しておいてから(具体的にどう設定するかは「垂直線/接線を描く」を)ノードツールを使って、まずパスの右端のノードを右の円に接する位置にスナップさせます。

 次に左の円に対しても接線になるように、パスの左端のノードを左の円に接する位置にスナップさせます。

 これで右も左も接線になっていれば簡単なのですが、パスが回転しているせいでさきほどは接線の状態だった右端のところは接線ではなくなってしまいます。拡大してみると次のようにズレてしまっています。

 そこで今度は右端をもう少しだけドラッグして、再び接線の状態になるように修正します。

 これでだいぶズレが小さくなって、左右の円にほぼ接している形になりましたが、今度は左端がほんの少しズレます。左端を拡大してみると分かります。

 ぴったり接線になっていたパス(青いほう)に比べて、右端をスナップさせた後のパス(水色のほう)の左端は少しズレています。

 これでは切りがなさそうですが、ズレはどんどん小さくなっているので、あと1回だけ、もう一度右端を接する位置にスナップさせてみます。

 ここまで修正を繰り返すとさすがに拡大してみてもズレが分からないようになりました。厳密にいえば左右とも接線になっているとは言えないのかもしれませんが、「2つの画像を比較する」に書いた方法で最大までズームイン(25600%!)して比較してみてもズレを確認できないので、実用上はこれで2つの円に接する線が十分に描けているとしてもいいように思います。

 「2つの円の両方に接する線を描く」のほうで考えてみた面倒な手順で描くよりも、このように右、左、右、左とスナップで修正を繰り返すという手順で描くほうがシンプルで実用的だとも言えそうです。

 例えばこんな絵も簡単に描けます。