このページでは、Inkscapeを使ってハーフトーン（ドットを並べて濃淡を表現したもの）を描く手順を考えてみました。
基本的には「タイルクローン」機能を使っています。
タイルクローンでは、縮小させる割合を設定することで、徐々に小さくなっていくクローンを生成して並べることができるので、小さい円オブジェクトのクローンを生成させればハーフトーンのようになります。
まず小さい円オブジェクトを描きます。１個のドットにするつもりのオブジェクトです。
この円を選択しておいて、タイルクローンを生成ダイアログで次のように設定して、「生成」ボタンをクリックします。
すると縦横にクローンが並びます。
縦横ではなく、斜めに並べたいときはタイルクローンの「シフト」タブの設定を次のように少しずつズレるように設定すればいいのですが・・・
クローン全体も斜めに並んでしまうので、何かの形の内側を埋めるように編集したいときなどはうまくいかないかもしれません。
ちなみに、生成されるドットの列はクローンなので、クローン元の円を変形するとクローン全体も同期して変形されます。例えばクローン元の円を少しだけ大きくすると、全体に密度の高い並びにすることができます。
全体が斜めになってしまうのでは不便なので、縦横に並べるのでもなく、斜めに並べるのでもなく、間をとって１列おきに上下にズレるように設定してみました。
これなら、密度は少し低くなってしまうけれど水平に並ぶ形になります。
ところで、各ドットの大きさをタイルクローンの「拡大縮小」タブのパラメータで調節するのではなく、タイルクローンの下に重なっている色に応じて変化するようにすれば、もっと複雑にドットの大きさの変化するハーフトーンになります。
次のようにドットの右下あたりに、不透明度に変化を付けた（この例ではグラデーションを設定した）オブジェクトを描いておいて・・・
ダイアログの「トレース」タブのパラメータを次のように設定します。
すると、不透明度の小さい（より透明な）ところの上に生成されるドットは小さくなります。
なお「描画から採取するもの」というパラメータを「色」ではなく「不透明度」にしています。「色」に応じて大きさを変化させることもできますが、「色」に設定した場合、どんな「色」の上ならどんな大きさのクローンになるのかが分かりにくいので、０～１００％の単純な値をとる「不透明度」を使うほうがおすすめだと思います。
ついでですが、クローン元オブジェクトを変形すると、各ドットの形を自由に変えることもできます。
