このページでは、Inkscapeを使って「台形」を描く方法について考えてみたいと思います。

(2025.02.03更新)
IllustratorやAffinity Designerには矩形や円弧と同様に直接台形を描く「台形ツール」のような機能があるそうですが、Inkscapeには無いので、基本的な機能を組み合わせて描く必要があります。
といっても、ほんの少しだけ手間がかかるぐらいで、理屈が分かっていれば簡単だし、台形以外の図形を描くときにも応用できるポイントがいくつかあるので「台形ツール」が無くてもそんなにネガティブにとらえる必要もなさそうです。
ポイントは主に2つあって、ノードツールでCtrlキーを押しながらノードをドラッグするとそのノードを水平または垂直に動かすことができることと、パスのセグメントを1本選択しておいてInsertキーを押すとそのセグメントのちょうど真ん中にノードが追加されることです。
まず、単純な台形を描いてみます。矩形ツールで矩形シェイプを描いてパス > オブジェクトをパスへを操作して形はそのままでパスオブジェクトに変換し、Ctrlキーを押しながらノードを水平に動かせば、とりあえず台形に変形できます。

このあと、例えば上辺のセグメントの上をクリックしてそのセグメントを選択(両端のノードが選択状態になる)しておいてドラッグすれば、上辺だけを平行移動することができるので、好きな形の台形にすることができます。

また、例えば下辺に対して上辺を半分の長さにしたい場合は次のようにします。
ノードを2つ選択しておいてからInsertキーを押すと、そのノードのちょうど真ん中に新しいノードを追加してくれるという機能があるので、Insertキーを2回押して、下辺の四等分の位置にノードを追加します。

そしてこの追加したノードの位置に垂直方向のガイドラインを描いて、上辺の2つのノードをそのガイドライン上にスナップさせれば、下辺の半分の長さの上辺にすることができます。

さらに、セグメントを1本選択しておいて「,」キーや「.」キーを押すと、そのセグメントを左右均等に伸び縮みさせることができるので、台形を左右対称に保ったまま辺の長さを調整することもできます。
