2022年5月にInkscapeのバージョン1.2がリリースされました。
バージョン0.92が2017年1月のリリース、バージョン1.0が2020年5月のリリース、バージョン1.1が2021年5月のリリースなので、着実に改良が進んでいるのはユーザとしてはとてもうれしいし、安心です。
前のバージョンからの変更点を一通り抑えておこうと思ったのですが、とにかく多い!1年でこれだけ変更できることに驚きます。Inkscape開発者のみなさま、ありがとうございます。
(参考:Inkscapeでできること)
(参考:バージョン1.3の新機能)
主な変更点
〇 ページツール
ツールバーにページツールが追加され、サイズの違う複数のページを含むドキュメントを作成したりインポートしたりできるように。
〇 移動/拡大/縮小の起点
オブジェクトの移動/拡大/縮小を、オブジェクトの8方向に表示されるハンドルのどれを起点に実行するか、設定できるように。
〇 テキストツールの変更
ツールコントロールにカーニング用ボタンを追加、オブジェクトの周囲に流し込んだテキストとオブジェクトとの隙間(パディング)を調整するためのハンドルの表示とオブジェクト変更時にテキストも自動調整。
〇 パス編集機能の変更
パスを分解するときに内側の「穴」に当たるパスまでは分解しない。
〇 ドッキング可能ダイアログ
ドッキング可能ダイアログの中で、ダイアログを一覧表示したり、個々に操作するメニューを追加。
〇 「整列と配置」ダイアログ
整列と配置ダイアログの構成が整理された。
〇 「ドキュメントのプロパティ」ダイアログ
ドキュメントのプロパティダイアログの改良。
〇 PNG画像のエクスポートを他の画像形式と統合
PNG画像のエクスポート画面と、他の画像形式として保存する画面とをひとつにまとめた。
〇 エクスポートのバッチモード
ページごとに異なる設定で一気にエクスポートするモード(バッチエクスポート)を追加。
〇 フィル/ストロークダイアログ
フィル/ストロークダイアログにグラデーション設定画面を追加。(古いバージョンに存在した画面を復活させた)
〇 マーカの設定
マーカの設定操作を改善。
〇 点線のスタイル
点線のスタイルをカスタマイズ可能に。
〇 レイヤーとオブジェクトの一覧
レイヤーダイアログとオブジェクトダイアログを統合。
ヘルプ/マニュアル
実は密かに一番期待していたのは、ヘルプ/マニュアルの改訂だったのですが、それは無かったようですね。