このページでは、フォントファイルを何らかの方法で入手してInkscapeで利用可能にする手順を紹介します。
- Contents
- フォントファイルの入手
- フォントファイルの導入
- フォントの削除
(2023.08.04更新)
フォントファイルの入手
InkscapeはOpenTypeフォントもTrueTypeフォントも利用可能なので、「.otf」ファイルや「.ttf」ファイルを入手してInkscapeに追加し、テキストオブジェクトのフォントを設定するためのメニューや一覧に表示させてそのフォントをテキストオブジェクトに設定することができます。
いろんなライセンスでフォントファイルを配布するサイトもあるので、適宜検索して利用することが可能です。ひらがなや漢字にも対応したフォントがたくさんあります。
フォントファイルの導入
入手したフォントファイルをInkscapeから利用できるようにするには「OSレベルでのインストール」と「Inkscapeレベルでのファイル設置」の2種類の方法があります。
「OSレベルでのインストール」は、フォントファイルをOS上に追加インストールするというOS提供機能を使う方法です。Windows10の場合、入手したフォントファイルをエクスプローラなどからダブルクリックします。すると次のようなフォントファイルの内容を提示する画面とともにインストールボタンが表示されます。これを押すとOSレベルでフォントがインストールされ、そのOS上で実行されるアプリケーションから利用可能になります。当然Inkscapeでも利用可能になります。
Windows10の場合は、これとは別にフォントファイルを右クリックして表示されるインストールメニューからインストールしたり、そのインストールメニューの下に表示されるすべてのユーザに対してインストールというメニューで全ユーザから利用できるようにインストールする手順もあります。
なお、インストールしたフォントファイルは、「C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts」の下や「C:\Windows\Fonts」の下などにコピーされているので、インストールが出来たかどうかを確認することができます。
ちなみに、すべてのユーザに対してインストールというメニューのほうからインストールしないとInkscapeに認識されないという情報もネット上で見かけたのですが、Inkscapeのバージョン1.0のときにバグとして修正されたらしいです。
一方「Inkscapeレベルでのファイル設置」は以下のいずれかの場所(フォルダ、ディレクトリ)にフォントファイルを手でコピーしたり移動したりするという方法です。
- Inkscapeのインストール先のうちの特定の場所(フォルダ、ディレクトリ)
- Inkscapeのインストール先の「fonts.conf」という設定ファイルの中で指定されている場所(フォルダ、ディレクトリ)
- Inkscapeの環境設定の中でユーザごとのフォントファイルの追加場所として指定されている場所(フォルダ、ディレクトリ)
- Inkscapeの環境設定の中でユーザが追加のフォントディレクトリとして設定した場所(フォルダ、ディレクトリ)
「1」の場合は同じPC上でInkscapeを使うユーザみんなに利用可能なフォントとなり、「2」~「4」の場合はそのユーザのみに利用可能なフォントとなります。フォントファイルをこれらのいずれかに置いておいてInkscapeを起動すると、Inkscapeがそのファイルを自動的に探してくれて設定可能なフォントのメニューに追加してくれます。いわゆるインストールと呼ばれるような手順はありません。
問題はそのフォントファイルを置く場所はどこなのか?ということです。
フォントファイルの置き場所について具体的に説明している正式な(?)解説コンテンツが無いので、以前のバージョンのInkscapeでは裏ワザ的にInkscapeをインストールすると作成される設定ファイル(.confという拡張子)をエディタなどで直接編集して、そこにフォントファイルの置き場所のパスの記述を追加するという方法などが有志のみなさんによって紹介されていました。
現在のバージョン(1.3)では、「1」の場合(かつWindows10の場合)「C:\Program Files\Inkscape\share\inkscape\fonts」で、「2」の場合(かつWindows10の場合)「C:\Users\ユーザ名\AppData\Local\Microsoft\Windows\Fonts」で、「3」の場合は環境設定ダイアログのシステムタブのユーザーフォントというフィールドに表示されているフォルダ(ディレクトリ)で、「4」の場合は環境設定ダイアログのツール > テキストタブの追加のフォントディレクトリにユーザ自身が入力したパスのフォルダ(ディレクトリ)になります。
なお、いずれにしても次の画面のように環境設定ダイアログのInkscapeのフォントディレクトリを使用やユーザーのフォントディレクトリを使用に必要に応じてチェックを入れておく必要がありそうに見えます。
でもこれらのチェックの状態と実際に使用可能になるフォントとはかみあってない(例えばユーザーのフォントディレクトリを使用のチェックをはずしても、そのパスに置いたフォントファイルは使えたりします)ので、これらのチェックはとりあえず常に入れておいたほうがいいと思います。
フォントの削除
Inkscapeで利用不可能にしたいフォントがある場合は、それがどこに導入されたものであるかに応じてフォントのアンインストールまたはフォントファイルの削除を行います。
フォントのアンインストールはWindows10の場合次のようになります。
Windowsの設定画面で個人用設定 > フォントを開き、表示されるフォントのファイルからアンインストールしたいフォントを選ぶと、そのフォントファイルのパスと並んでアンインストールボタンが表示されるのでこれをクリックします。なお、アンインストールをするとInkscpae以外の他のアプリケーションからも利用できなくなってしまうということに注意が必要です。
フォントファイルの削除は単にファイルとして削除するだけです。ただし削除したい特定のフォントのフォントファイルが上に書いた複数の置き場所(フォルダ、ディレクトリ)のどこにあるのかはInkscape上で表示してくれる機能はなさそうなので、エクスプローラなどを使って自分で探し出す必要があります。
フォントのメニューや一覧にたくさんの候補が表示されるけれど、ほとんどのフォントは使わないので、メニューの数を減らしたくなるときがあります。しかしアンインストールするぐらいしか方法がないのでメニューがたくさん表示されてしまうことは我慢しないといけないのかもしれません。裏ワザとしてはOSレベルでインストールされているフォントのフォントファイルのうち必要なフォントファイルをInkscapeのほうにコピーしてきて、さらにOSレベルのフォントは全て一切使用しないように「.conf」ファイルを直接編集してコメントアウトしてしまうという方法もありますが、正直そこまでやるかという気もします。
なお、Inkscapeのバージョン1.3で追加されたフォントコレクション機能を使えば、フォントレベルで削除しなくてもフォントのメニューを階層化して一度に表示される数を減らすことは可能になりました。