Inkscapeには、別途入手したフォントを追加する手順がありますが、その手順をまとめる前に、そもそもフォントファイルにはどんな種類があるのかを勉強したので、このページでまとめておきます。
- Contents
- はじめに
- フォントファイルって何?
- OpenTypeとTrueType
(参考:フォントの追加と削除)
(2022.11.14更新)
はじめに
「フォントって何?」と聞かれても、何を答えたらいいのかわからないほどいろんな観点があって、普段ワープロソフトで設定する程度の知識しかない者としては、Inkscapeにフォントを追加する手順を調べる前に知っておくべき知識が何なのかも整理できないのが正直なところです。
しかし、細かいことまで正確にまとめようとするとキリがないので、少し不正確な書き方になることは覚悟の上で、以下におおざっぱにまとめておきたいと思います。
フォントファイルって何?
まず、フォントはフォントの種類(デザイン)ごとのファイルとしてデータ化されています。1つのデザインのフォントが複数のファイルに別れている場合もあります。
フォントファイルの中には、各文字の形をベジエ曲線で表したベクタデータが格納されているそうです。(ベクタデータでなく、各文字のビットマップ画像を格納するタイプのフォントファイルもありますが、それについては省略)
フォントファイルをダウンロードしてきてOSの所定の手順でインストールすると、そのOS上で動作するアプリケーションから利用可能になります。Windows10の場合は、フォントファイルをダブルクリックすると、インストールボタンのある画面が表示されるようになっています。
OSに対してインストールしなくても、アプリケーションの所定の場所(フォルダ、ディレクトリ)にフォントファイルを置くだけで利用可能になる場合もあります。
フリーで利用可能なフォントファイルもネット上でいろいろ提供されています。
ただ、自分のアプリケーションが利用可能なフォントであっても、他の人のアプリケーションでも利用できるとは限りません。データを渡す相手のアプリケーションで同じフォントが利用可能になっていないと、作成したデータ(Inkscapeの場合はSVGファイル)を相手に渡してアプリケーションに読み込んでもらっても、そこで使われているフォントが「知らないフォント」になってしまうので、注意が必要です(どんな注意が必要かはアプリケーションの種類によったりするので、具体的には書かないですが)。
OpenTypeとTrueType
いろんなフォントファイルの形式が世の中にはありますが、OpenTypeとTrueTypeという2種類がメジャーな形式だそうです。Inkscapeはこのどちらのフォントファイルも利用可能です。
OpenTypeはマイクロソフト社の商標で、TrueTypeはアップル社の商標です。
TrueTypeは昔からある形式で、これに対しPostScriptで利用できる別の形式(PostScriptフォント)も昔からありますが、この2つの形式を統合した形式がOpenType形式だそうです。そういう経緯があるので、OpenType形式はさらに2つのタイプに分かれていて、文字の形を3次ベジエ曲線で表したPostScriptベースのタイプと、文字の形を2次ベジエ曲線で表したTrueTypeベースのタイプとがあります。
昔ながらの純粋なTrueType形式と、それに準じた(発展させた)形式でOpenType化した形式とがあったりして、形式のバリエーションが複雑なので、正確に何を何と呼べばいいのかはとても難しそうですが、TrueTypeフォントといえば、昔からあるTrueType形式に準じた形式のOpenType形式のフォントファイルで、OpenTypeフォントといえば、PostScriptフォントの形式に準じた形式のOpenType形式のフォントファイルのことを指す、という理解が一番簡単なのでしょうか。所説ありそうですけど(笑)。
TrueTypeフォントのファイルの拡張子は「.ttf」で、OpenTypeフォントのファイルの拡張子は「.otf」です。「.ttf」ファイルも、TrueType形式に準じたOpenType形式であるという点では「OpenTypeだ」と呼んでもよさそうなものですが、あえて区別して呼んでいるようですね。「.ttf」ファイルをOpenTypeと呼ぶのは一部の方言だ、という説明もどこかで見ました。
新しいフォントファイルを入手するときは、どちらの形式であるかは確認したほうがいいですが、どちらのファイルを使うかで、アプリケーション(例えばInkscape)にとってどういう違いがあるのかはよくわかりません。たいして無いような気もしてます。