このページでは、パスオブジェクトを入力するための最も基本的なツールだと思われる「ペンツール」の詳細について紹介したいと思います。
ペンツールを使って新規パスオブジェクトを入力したあとの編集操作はどんなツールで入力したかによらない共通のパス編集手順になるので、そのパス編集手順については「パスを作成/編集」のほうで別にまとめてあります。
- Contents
- ペンツールの基本操作
- 描くパスの種類
- 線状ではないパスを描く
- 最初に描くときは形を気にしなくてよい
(参考:パスを作成/編集)
(2022.11.14更新)
ペンツールの基本操作
ペンツールは、パス(ベジエパスやBスプライン)を作成するためのツールの1つです。
ツールバーでペンツールを選んで、キャンバスの好きな位置を開始点としてマウスの左ボタンを押してから、移動やクリックやドラッグを繰り返してパスを描いていき、最後まで描いたらマウスの右ボタンを押すか、または、ぐるっと一周して最初にマウスボタンを押した位置のノードの上をもう一度クリックすると、1本のパスの入力は終了です。

最初のノードの上でもう一度クリックした場合は、閉じたパスになります。
描くパスの種類
ペンツールではあらかじめ描きたいパスの種類(「モード」と呼ぶ)を選択してからパスを描きます。上の入力例は、Bスプラインを作成するモードを選択してから描いたものです。
パスの種類(モード)を選択するには、ペンツールを選択した状態で、ツールコントロールバーの左端のアイコンをクリックします。
5つのモードが選択可能で、選択したモードに応じて以下のようなパスを描きます。
ベジエパスを作成モードでは、1本のセグメントをベジエ曲線とし、複数のセグメントを連結したパスが作成されます。このモードではまっすぐな線(セグメント)を連続してつないだ折れ線状のものとして新しいパスを入力することができますが、「パスを作成/編集」のページでまとめているように、入力完了後に編集することで好きな形のベジエ曲線に変形することができます。

ベジエパスを作成モードで、開始点でマウスボタンを押したあと、マウスボタンを離さずにそのままドラッグすると、直接ベジエ曲線を描くこともできます。

このあたりの操作の詳細については「ペンツールの操作手順の詳細」にまとめました。
スピロパスを作成モードでは、スピロスプライン(クロソイド曲線とも呼ばれる?)のパスが作成されます。フォントのデザインなどに使う曲線だそうです。

Bスプラインを作成モードでは、入力した折れ線に対するBスプライン曲線が作成されます。
連続する直線セグメントを作成モードでは、直線をセグメントとして連結した折れ線状のパスが作成されます。このモードはクリックを繰り返してベジエパスを入力するときと同じものが入力されるようです。
連続する近軸線を作成モードでは、折れ線の各セグメントが直角に曲がるようなパスが作成されます。(近軸線ってこういう意味なのか?)

ネットを検索すると、水平線と垂直線とを描くものという説明もみかけますが、そうではなくて、最初に描いたセグメントを基準として、そこから直角方向にのみ曲がる線を描くモードです。必ず直角になるので、180度折り返す線や、同じ方向に進むセグメントは描くことができません。
なお、連続する近軸線を作成モードも、連続する直線セグメントを作成モードと同様に、新しいパスを入力したのちはベジエパスとして入力したときと同様にノードツールを使ってベジエ曲線として変形することが可能です。
線状ではないパスを描く
デフォルトでは、ペンツールで新しくパスを作成すると、作成したパスに沿って同じ太さの線状のストロークが描かれますが、これを線状ではなくパスに沿って他の形を描くようにすることができます。
ペンツールを選択しているときのツールコントロールバーにシェイプというプルダウンメニューがあって、ここで選択した形を使って新規パスが描かれます。
細かいことは「ペンツールで図形をパスに沿わせる」のほうにまとめます。
最初に描くときは形を気にしなくてよい
パスの入力過程でクリックやドラッグをどこでどういう順に行うかによって新たに作成されるパスの形が決まるのですが、ノードツールを使えば一旦新規作成したパス上のノードをドラッグしていつでも自由に変形したり、ノードをセグメントの途中に挿入したり削除したりすることも簡単に出来るので、初回入力時の操作(ノードを配置する正確な場所など)をそんなに細かく気にする必要はなさそうです。
一旦作成したパスを後から変形する手順は「パスを作成/編集」のページのほうにまとめています。