このページでは、中心線トレースという機能についてまとめようと思います。
中心線トレースは、「autotrace」というInkscape本体とは別のトレースツールの機能を使ったトレースで、画像を分けている領域の真ん中の軸(中心線)を通るようなパスを生成します。生成されたパスはフィルの塗りつぶしなしなので、ペンで書いた線画のようなパスが生成されます。

(参考:画像トレースのパラメータと手順)
(参考:線画イメージをベクタデータ化する)
(2022.11.15更新)
元の画像が線画っぽい絵のときに、その描線をパスに変換するもの、と理解すれば早いと思います。
例えば、次のような線画っぽい絵を中心線トレースでトレースします。

すると、次のようなパスが生成されます。

生成されるパスのストロークの幅(太さ)はデフォルトで「1mm」になっているようなので、その幅を細く変更するとどんなパスが生成されているのか分かりやすいです。

確かに線画に沿ったパスが生成されていますが、元の線画では明らかにつながっている線のところも、ブチブチに切れてしまっているパスが生成されてしまいます。線の端のところや交差するところはうまくパス化されないようです。
中心線トレースにもダイアログ上で設定できるパラメータがいくつかあります。
フィルター反復というパラメータは、中心線を抽出する前にスムーズにするフィルタをかける回数を指定するとのことですが、具体的な効果は不明です。
エラーしきい値というパラメータは、指定したピクセル分だけ離れたところで分割されたパスを生成するとのことですが、やはり具体的な効果は不明です。ピクセルを実数で指定するようになっている理由も分かりません。
どちらのパラメータもいろいろ変えながら試してみましたが、見た目にはっきり分かるような差は生まれませんでした。もう少し具体的に試してみた結果も「線画イメージをベクタデータ化する」のページに書きました。