お絵描きソフトInkscape(インクスケープ)の使い方を初級レベルから上級レベルまで広く紹介しています。
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Inkscapeで複数のオブジェクトにテキストを流し込む

 このページでは、Inkscapeを使って、複数のパスやシェイプに1つのテキストオブジェクトを連続して流し込む方法について紹介します。

 (参考:他のオブジェクトに合わせてテキストをレイアウト

(2023.02.12更新)

具体的な手順

 具体的な手順は以下のようなものです。

 例として、次のように3つのパスを描いておいて、これにテキストを流し込んでみます。

 流し込み方は1つのパスに流し込む場合(参考:テキストをパスの形にレイアウトする)と基本的に同じです。流し込みたいテキストと流し込み先のオブジェクトを両方選択状態にしておいて、テキスト > テキストの流し込みメニューを操作します。

 すると、3つのパスに先頭から順番にテキストが流し込まれて、前のパスに入りきらない文字列は次のパスに流し込まれます。

流し込んだ後の状態

 この状態が内部ではどのような構造になっているかというと、テキストオブジェクトの「外枠」の形としてテキストオブジェクトが流し込み先のパスを参照する構造になっています。テキストオブジェクトだけ少し移動してみると、次のようにテキストオブジェクト単体でも「外枠」の形を維持していることがわかります。


 また、テキストオブジェクトは3つにバラバラになっているのではなく、あくまでもレイアウトとして3個所に別れて表示されているだけなので、テキストツールを使って再び編集状態にして、真ん中あたりの文字を消すと、消した分だけ流し込んだテキストが縮んでいく様子がわかります。(この例では右端のパスから真ん中のパスに文字が移動しています)

流し込まれる順番

 流し込み先が複数の場合の流し込まれる順番は、流し込みを行う直前に選択ツールで選択していった順番になります。例えば、真ん中をまず選択し、次にシフトキーを押しながら右端を選択し、最後に左端を選択しておいてから流し込みを行うと、次のように流し込まれる順番も選択した順番になっています。

 ここのところ、Illustratorであればどの順番に流し込んでいるのかがわかる線が表示されるようになっているそうなので、Inkscapeも今後のバージョンでそういうインタフェースになるといいですね。