他のオブジェクトの内側に流し込んだテキストを元に戻して、流し込まれていないテキストにするには、テキスト > 流し込み解除メニューを操作します。
- Contents
- 流し込みの解除手順
- どんなテキストに戻る?
- 「テキストに変換」というメニューはなに?
(2023.02.12更新)
流し込みの解除手順
次のように、流し込んだテキストオブジェクトを選択して流し込み解除を操作します。

すると、流し込み先のパスはそのままで、そのパスに流し込まれていたテキストオブジェクトが元に戻ります。

どんなテキストに戻る?
ただし、少し細かい話ですが、流し込む前のテキストが通常のテキストなのか自動折り返しテキストなのか流し込みテキストなのかによって、どんなテキストオブジェクトに戻るかが変わります。
通常のテキストを流し込んだ場合に解除すると通常のテキストに戻ります。
自動折り返しテキストの場合も解除するとそのまま自動折り返しテキストに戻ります。

流し込みテキストの場合は少し事情が違っているようで、通常のテキストに戻ります。実際にやってみると改行の具合は保たれたままの通常のテキストになります。
次のような流し込みテキストを流し込んでから解除をしてみると、

次のようになります。わかりにくいですが通常のテキストに戻っていることがテキストツールで編集状態にしたときのハンドルの位置でなんとなくわかります。
「テキストに変換」というメニューはなに?
ところで、テキスト > テキストに変換というメニューがあります。
このメニューの意味は、マウスカーソルをメニューの上に持って行ったときに、次のように表示されます。

「流し込みテキストを通常のテキストオブジェクトに変換(外観を維持)します」と表示されますが、少々誤解しやすい表現だと思います。
実際はどういう意味かというと、SVGのバージョン1の段階ではサポートされていなかったパスへの流し込みを実現するために、当時のInkscapeが工夫して、Inkscapeオリジナル版のSVG形式で保存していた流し込みテキストを、スペースなどを上手い具合に挿入することで標準のSVG形式として保存可能な「通常の」テキストに文字のレイアウトを変えずに変換することで互換性があるデータにする、というメニューらしいです。
そして、Inkscapeではバージョン1.2でSVGのバージョン2に対応し、SVGのバージョン2ではパスへの流し込みがサポートされているので、このメニューはもはや不要なはずなのですが、Inkscape自身の下位互換性を保つために残されているようです。下位互換性を気にしなくてよい状況でInkscapeを使っている分にはこのメニューを使う必要はないし、そもそも流し込みテキストに対してこのメニューを操作しても何も起こりません。
・・・とネットでいろいろ読んでみるとこういうことらしいのですが、一方でSVGのバージョン2は現時点で標準規格としてはまだ草稿の段階で、最新の草稿のものはInkscapeが対応しているバージョン2からすでに書き換えられているようなので、パスへの流し込みを多用したドキュメントを編集しているとSVGの正式なバージョンアップ後に互換性がなくなってしまって少し困ったことになるかもしれません。