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Inkscapeのウィンドウ/ダイアログの特殊な機能

 このページではInkscapeのウィンドウやダイアログの少し特殊な機能についてまとめます。

 (参考:GUI画面構成

(2023.02.15更新)

ドッキング可能ダイアログとは

 一般的なアプリケーションでは、設定画面を表示するために独立したダイアログウィンドウをポップアップ表示することが多いですが、Inkscapeの各種設定画面はデフォルトではメインウィンドウの一部に埋め込まれた形でキャンバスのすぐ右隣りに並んで表示されます。

 複数のダイアログを同時に開くこともでき、ダイアログの上辺にある「タブ」をクリックすることで、1つのダイアログをアクティブにして操作する形になっています。

 タブの部分をマウスでドラッグしてメインウィンドウの外側に移動すると、メインウィンドウとは独立したダイアログウィンドウに切り替えることもできるので、このタイプのダイアログをドッキング可能ダイアログと呼ぶらしいです。といってもInkscape独自の機能というわけではなさそうです。

 ダイアログは、色の変更、位置合わせ、オブジェクトの検索などのような、編集操作の種類ごとに用意されていて、自由に開いたり閉じたりすることができます。

 各ダイアログを開く手順にはいろいろありますが、ダイアログの種類に依らない共通の手順として、次のように画面右上あたりにある「」のボタンをクリックして、ダイアログの選択メニューを出して、使いたいダイアログを指定すると、そのダイアログが開いて表示されます。

 一度開いたダイアログは開いたままになりますが、タブの「x」ボタンを押すと閉じます。

 複数のダイアログを同時に開いている場合は、実行しようとしている編集操作の種類(色の変更、位置合わせ、オブジェクトの検索など)に応じてタブをクリックしてその種類に対応するダイアログをアクティブな状態に切り換えますが、目的のダイアログのタブがどれなのか分からなかったり(ダイアログはタブの小さいアイコンで区別されているので分かりにくいです)、目的のダイアログのタブが表示されていない場合は、上に書いた手順と同じように「」のボタンから表示させることができます。

 ちなみに、このダイアログ部分はメインウィンドウ上で結構場所をとるので、反対にキャンバス領域が小さくなって隠れてしまいがちです。ダイアログ部分が邪魔だなあと思ったら、キャンバスとダイアログの間にあるボーダーの部分( ←これ、スプリッタとかディバイダと呼ぶべきか)を右端までえいやっとドラッグすれば非表示になります。

 表示したままで幅を小さくしようとしてもなかなかうまくいきません。「これってどういうこと?」のページのほうで原因や対処方法を書いてみました。

 また、非表示にする機能に似ていますが、画面右上にある「」のボタンをクリックして表示されるメニューでパネルを閉じるを操作するとダイアログ表示領域全体が閉じます。閉じてしまうので表示/非表示メニューでも再表示できません。何か1つダイアログを開くまでは何も表示されません。



 あるいは、上に書いたように、いずれか1つのダイアログのタブのところをマウスでInkscapeのウィンドウの外側へドラッグすると独立したウィンドウに変化します。


 再び他のダイアログとタブ状に並べたいときは、独立させたウィンドウのタブのところを他のダイアログのタブの近くへドロップします。

 他のダイアログが1つもない(例えば全部のダイアログを独立したウィンドウにしてしまっている)場合で再びメインウィンドウ内に合体させたい場合は、キャンバスの右辺のスクロールバーのすぐ右のあたりにドロップします。

 さらに、いずれか1つのダイアログを他のダイアログの上のほうや下のほうにドラッグすると、ダイアログ同士を上下に並べることもできます。


 なお、ダイアログをドラッグしている途中で手の形のマウスカーソルが少し小さくなったところがドロップ可能な場所になっています(そうやってドロップできたとしても思ったようなレイアウトになってくれないときもありますが)


複数のウィンドウで並行して編集

 1つのドキュメントを複数のウィンドウで表示した状態で、どちらからでも編集することができます。

 表示 > ウィンドウを複製メニューを操作すると、もう1枚ウィンドウが開いて、キャンバス上には同じドキュメントの内容が表示されます。どちらで編集しても、もう一方のウィンドウの表示も同期して更新されます。