このページでは、Inkscapeの組み込みフィルタの1つである、キャンバス地のように見える画像に変換してくれるフィルタを紹介します。

(2023.05.22更新)
このフィルタを適用するには、プルダウンメニューでバンプ > キャンバスバンプを操作します。
ただ、ネット上で検索した解説コンテンツのほとんどが、パラメータを調整せずにキャンバスバンプフィルタを適用した画像を示しているだけで、あまりキャンバス地のように見えません。
このフィルタもパラメータを指定するためのダイアログが表示されないので、メニューから適用するだけではデフォルトのパラメータを指定したことになりますが、それではいわゆるキャンバスの布地の感じにならず、でこぼこした壁のような画像になってしまいます。
そこで、パラメータの調整でどんな変化が起こるのか、試してみました。
まず、フィルタを設定する絵を描きます。

メニューでキャンバスバンプを選ぶと次のようになります。

あまり布地の縦糸横糸を感じません。
せめて縦方向または横方向のスジが感じられる程度にならないかと思って、フィルタエディタでパラメータを調節してみました。
このキャンバスバンプフィルタにはフィルタプリミティブ要素に乱流という要素が使われていて、横(X軸)方向と縦(Y軸)方向とで、別々の乱れ方(基本振動数)でノイズを加えています。この要素の基本振動数をX軸とY軸で大きく異なるものにすることで、スジのようなものを表現できるのではないかと考えました。
乱流のパラメータ画面は次のようになっているので、リンクボタンを押して、X軸方向とY軸方向の基本振動数を独立に指定できるようにして、X軸方向を「0.1」、Y軸方向を「5.0」と極端にX軸方向のノイズを小さくしてみました。


うっすらと横方向のスジが見えてきましたが、ぼやけているようなので、乱流に加えてガウスぼかしも調整して、ぼかしが弱くなるように(くっきり見えるように)「0.1」と小さい値に変更してみたところ、次のように、少しですが、布地っぽい絵柄になったように思います。

(参考:フィルタとは何か)