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Inkscapeで使えるフィルタプリミティブ要素:feTurbulence

 このページでは、ゲームの画面などで自然界に存在する揺らぎのある形(雲や大理石の表面など)を描くときに用いられる、ノイズを加えた画像を生成してくれるフィルタプリミティブ要素を紹介します。

 Inkscapeのフィルタエディタ上では乱流と表示されます。

(2023.05.16更新)

 Inkscapeのフィルタエディタでは、このfeTurbulence(乱流)に対する入力画像があるかのようにコネクションを設定する画面になっていますが、どうも入力された画像を変換するというものではなく、ゼロから画像を生成するもののようです。(・・・と説明されている解説コンテンツを見つけたのですが、実際はfeTurbulenceを含むフィルタの設定先の画像によってノイズの様子が変化するので、何か依存関係があると思うのですが)

 パラメータを指定すると、発生させるノイズの様子を変えることができます。

 タイプは、フラクタルノイズ乱流のどちらかを選びます。フラクタルノイズはRGB値の真ん中の値を中心にして上下にノイズを加えるもので、生成される画像の色の変化は滑らかになり、雲などの気体状のものを描くのに向いているようです。乱流はRGB値の最小値を中心に上のほうにノイズを加えるもので、うねったような線が現れるので、波などの液体状のものを描くのに向いているようです。

 基本周波数は、ノイズとして少なくとも1つ加えられる波形の周波数で、基本周波数が大きいほど細かく変化するノイズが加わります。基本周波数としてX軸方向とY軸方向に異なる値を指定することもできます。

 オクターブは、いわゆるドレミで言うところのオクターブのことで、基本周波数の波形(1オクターブ目)に対して、何オクターブまで高い周波数の波形を合成してノイズとするかを指定します。オクターブに例えば「3」を指定すると、1オクターブ目の周波数の波形と2オクターブ目の周波数の波形と3オクターブ目の周波数の波形とを合成してノイズとするので、オクターブに指定する値が高いほど複雑なノイズになります。

 このfeTurbulence(乱流)の出力は他のフィルタプリミティブ要素に入力することで、揺らぎの現れるいろんなテクスチャを生成することができるそうです。

 (参考:フィルタとは何か