この2つのフィルタ(CMYの微調整とRGBの微調整)は、それぞれCMY値またはRGB値で表されたピクセルの色を、ある方向にまとめて変化させるフィルタです。半透明のオブジェクトを上に重ねたような効果を得ることができます。
これらのフィルタを適用するには、プルダウンメニューで色 > CMYの微調整または色 > RGBの微調整を操作します。
- Contents
- ブレンドモードのスクリーンを試してみた
- 微調整フィルタでやってみた
- 写真でやってみた
(2023.09.14更新)
もう少し具体的にいうと、これらのフィルタは、対象とするオブジェクトの下側に、パラメータとして指定した色(一色)で塗りつぶした矩形を重ねて、ブレンドモードをスクリーンに設定します。それによって、下に重ねた色が暗い場合は、その上に重ねた色が少しだけ明るくなり(つまりその色が少し強くなり)、下に重ねた色が明るい場合は、その上に重ねた色がとても明るくなります(つまりその色がとても強くなる)。
(参考:ブレンドモードを設定する)
つまり、このフィルタを適用する対象のオブジェクトの色のうち、強めにしたい(強調したい)色をこのフィルタに指定すると、その色がより強くなります。
強くする度合い(ちょっとだけ強くするか、かなり強くするか)は、フィルタに指定する色の強弱で調整します。例えば、RGB画像の青をほんの少し強調したい場合は、RとGはゼロに、Bはゼロよりも少しだけ大きい値にした色をこのフィルタに指定します。
RGB値で調整するか、CMY値で調整するか、はフィルタメニューのところで分かれているので、調整したい値のほうのメニューを選びます。
ブレンドモードのスクリーンを試してみた
まず、このフィルタを使わずに、スクリーンの効果を通常のオブジェクトの重ね合わせでわかりやすくした例を試してみます。
グラデーションを付けた上側のオブジェクトの緑(G)を強くする場合です。緑(G)を強調したいので、その下側に緑で塗りつぶしたオブジェクトを重ねます。この例では、強い緑(明るい緑)と弱い緑(暗い緑)で塗りつぶしたオブジェクトを重ねます。そして上側のオブジェクトのブレンドモードをスクリーンに設定します。すると、次のように、明るい緑の部分の上に重なっている領域で緑が強調され(青いところは緑が追加されて水色に)、暗い緑の部分の上に重なっている領域で緑が少しだけ強調されます。
微調整フィルタでやってみた
次にフィルタで同じようなことをやってみました。
上と同じようにグラデーションを付けたオブジェクトを描いて、微調整フィルタを設定してみます。

メニューからRGBの微調整を選ぶと、次のように、下側に重ねる色を指定するためのダイアログが表示されます。

フィルやストロークのスタイルを指定するダイアログと同じような画面です。ここで、緑を強調したいので、RとBはゼロにして、Gだけ「255」を指定します。
すると、緑一色のオブジェクトとブレンドされて、次のように全ピクセルのRGBのG値が強調されます(大きくなります)。

写真でやってみた
写真画像でもやってみました。

この画像に緑(G)だけゼロでない色を指定して微調整フィルタを設定すると、次のように、全ピクセルのG値が大きくなるので、結果として全体が緑がかった感じになります。