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Inkscapeのフィルター:ぼかし、はかなさ

 このページでは、Inkscapeの組み込みフィルタから、オブジェクトにぼかしを入れてくれるフィルタを紹介します。シンプルな「ぼかし」の他に、類似のフィルタとして「はかなさ」というフィルタがあります。

(2023.05.30更新)

 このフィルタを適用するには、プルダウンメニューでぼかし > ぼかしぼかし > はかなさを操作します。

 Inkscapeには、選択したオブジェクト全体にぼかしを入れる方法として主に3つの方法があります。

 1つは、フィルタを使わない通常のぼかし操作で、フィル/ストロークダイアログで、色を指定するのと同じようにぼかし(%)を指定するものです。フィル/ストロークダイアログの下のほうにぼかしを調整するスライドバーがあります。

 1つは、フィルタメニューから設定可能な「ぼかし」という名前のフィルタです。

 1つは、フィルタメニューから設定可能な「はかなさ」という名前のフィルタです。

 どの方法もガウスぼかしが入るという点では同じですが、オブジェクトの端のところの処理が異なります。

 サンプルで試してみます。

 次のオブジェクト(正確にはオブジェクトグループ)を3つの方法でぼかしてみました。

 すると、次のようになります。

 オブジェクトの端のところに注目です。

 通常のぼかしでは、オブジェクト全体が均等にぼかされるので、端のところも外側に向かってぼかされています。

 「ぼかし」フィルタは、オブジェクトの内側の部分は通常のぼかしと同じような感じですが、端の部分はぼかされず、くっきりしたままです。

 「はかなさ」フィルタは、「ぼかし」フィルタに加えて、端はくっきりしていますが、端に近いところがわずかに透けています。「ぼかし」フィルタのほうが不透明度の値についてはぼかし処理をしていないのに対して、「はかなさ」フィルタのほうは不透明度の値についてもぼかし処理をしているので、このような違いが出ています。

 ぼかしを入れる目的に応じて使い分けることになります。

 (参考:フィルタとは何か