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Inkscapeのフィルター:アウトライン

 このページでは、Inkscapeの組み込みフィルタの1つである、オブジェクトのエッジを指定した色で強調してくれる、つまりアウトラインを描いてくれるフィルタを紹介します。

 ただし、オブジェクトの骨格を表すアウトラインと混同しないように注意が必要です。

(2023.06.29更新)

 このフィルタを適用するには、プルダウンメニューでモフォロジー > アウトラインを操作します。

 このフィルタを設定する際は、パラメータを指定するダイアログが表示されますが、パラメータの種類も多く、パラメータごとの意味も分からないので、どのようなパラメータを指定するとどのようなアウトラインが描かれるのかは予想するのがとても難しいです。

 このダイアログで適用ボタンを押す前にライブプレビュー機能を使っていろんなパラメータを試してみるのが早いかもしれません。

 合成方式として、OverOutInAtopXORが指定でき、位置として、内側外側オーバーレイが指定できますが、これらはこのフィルタを構成するフィルタプリミティブ要素ごとのパラメータの名前を読み替えている程度のようで、最終的なアウトラインの様子を表していないと思われます。

 それ以外のパラメータも、例えばフィルタの各工程で行われるガウスぼかしの大きさなどを指定するもので、最終的にどのような効果につながるのかは直感的に分かりにくいです。

 ちなみに、合成方式Over位置内側に指定した場合に、このフィルタがどのような変換を行っているのかというと、次のようになります。

 とっても複雑な工程です。簡単に言えばガウスぼかしを応用して半透明な領域を広げた上でその不透明度マップと元の画像との合成(参考:feComposite)を行うことで、元の画像の周辺部分だけがマスクされて残ったような画像を生成するというステップを繰り返しています。

 合成方式位置を変えながら、それ以外のパラメータはデフォルトのままで試してみると、次のようになります。

 これをもう少しアウトラインっぽく見えるものになるように、他のパラメータも調整してみると、次のようになります。

 まあ正直、どんなパラメータを指定すれば好みのアウトラインになるのかは全くわかりません。フィルタプリミティブ要素のレベルでどんな効果が出ているのかをフィルタエディタ上で少し追いかけてみましたが、はっきりと理解できるところまで行きつけませんでした。


 (参考:フィルタとは何か