Inkscapeのシェイプビルダツールを使ってみたので、その編集過程を紹介していきます。

- Contents
- こんな絵を描いてみよう
- 組み合わせるシェイプを描く
- シェイプビルダツールを起動する
- まず残したい領域をクリック
- クリックしたところに沿ってドラッグ
- シェイプビルダツールを終了する
- 不要な線を削除
- どんなパスになったか確認
(参考:シェイプビルダツール)
(2023.12.28更新)
こんな絵を描いてみよう
例として、複数のシェイプ(円と矩形)を組み合わせて最終的に次のような絡んだ紐のような絵を描いてみました。

組み合わせるシェイプを描く
まず、円/弧ツールと矩形ツールを使って、次のような絵を描きます。スナップ機能を使って矩形の角と円の中心(回転中心)が一致するように調整すれば簡単に描くことができます。(参考:スナップ機能(ドラッグ時の位置合わせ))

シェイプビルダツールを起動する
描いたオブジェクトを同時に全部選択しておいて、ツールバー上でシェイプビルダツールを選択すると、次のようにキャンバス全体が灰色の表示に切り替わってシェイプビルダの編集状態になります。濃い灰色の部分が選択したオブジェクトのアウトラインで囲われている領域にあたります。

まず残したい領域をクリック
ここで、紐状につながっているような図形に書き換えるには、アウトラインで区切られた領域のうち紐の一部にしたい領域同士を合体していきます。
そのためには1つに合体したい領域を全部またぐようにマウスを領域から領域へ連続してずるずるっとドラッグするのが基本なのですが、途中で手がすべってドラッグする方向や位置がずれてしまうと合体したくなかった領域も合体させてしまうことになり、やり直すのが大変です。シェイプビルダの編集画面ではやり直し(アンドゥ)操作をおこなっても、直前の2つの領域の合体だけやり直しになるのではなく、ドラッグを開始する前までもどってしまって、それまで行ってきた合体操作も全部キャンセルになってしまいます。そこでまずは紐状にしたい領域をピックアップするつもりで、領域またぎでドラッグをするのではなく、残したい領域を1つずつクリックすることから始めてみました。

左上から始めて、残したい領域が1つずつ追加されるようにゆっくりクリックしていきます。すごく小さく区切られた領域もあったりするので、ゆっくりクリックする手順のほうが、ドラッグするよりも間違いがないように思います。

最後までクリックすると次のようになります。クリックによって選択されて青くなった領域のアウトラインだけがシェイプビルダによって切り取られた状態になっています。

クリックしたところに沿ってドラッグ
これでどの領域を合体すれば最終的に描きたい紐状の図形になるのかが見た目で分かりやすくなったので、あらためて青く選択されている領域を端からドラッグしていきます。
紐の交差するところの重なり具合を意識しながら最後までドラッグすると次のようになります。

シェイプビルダツールを終了する
ここでツールバー上で選択ツールを選択する(あるいは他のツールを選択する、Enterキーを押す、ツールコントロールバーの完成ボタンを押す)と、
![]() |
完成ボタン |
シェイプビルダツールの編集状態から抜けて、次のように通常の状態のキャンバスに戻ります。

不要な線を削除
この時点で複数のアウトラインを切り分けて組み合わせたパスオブジェクトになっています。細かいところに不要な線(セグメント)が残っているので、ノードツールを使って不要な線を削除してきれいにします。この不要な線がなぜ残ってしまうのかは分かっていませんが、シェイプビルダツールが抽出した区切り領域の中に面積が小さすぎてマウスで選択しようのない領域が混じってしまうのかもしれません。

どんなパスになったか確認
どのようなパスオブジェクトになっているのかを確認するためにマウスで少し移動してみると、重なってみるところでちゃんとバラバラになっているパスオブジェクトが生成できていることがわかります。
