このページでは、Inkscapeのテキストオブジェクトを他の図形(シェイプやパス)の外側に沿って回り込ませる方法についてまとめたいと思います。

(2024.06.14更新)
図形(シェイプやパス)の内側にテキストオブジェクトをレイアウトする方法は「テキストをパスの形にレイアウトする」のほうにまとめてあります。
逆に図形の外側に沿ってテキストが回り込むようにレイアウトしたい場合があります。
Inkscapeではバージョン1.2からこの機能がサポートされました。
流し込みテキストと回り込ませたいオブジェクトを両方選択しておいて、メニューからテキスト > 減算フレームを設定を操作します。(参考:流し込みテキストの入力と編集)

メニュー操作時にテキストとオブジェクトが重なっていない場合は何も変化しないように見えますが、どちらかを移動して互いに重なるようにするとテキストがオブジェクトの外側に回り込むようになっています。

なお、サンプルに使ったテキストはInkscapeのリリースノートの中でこの回り込み機能について説明している箇所を使わせてもらいました。
「減算フレーム」とは耳慣れない言葉ですが、深い意味はなさそうだし、他で使われているものでもないので符号みたいなものと思っていればよさそうです。
複数のオブジェクトを回り込み対象にすることもできます。その複数のオブジェクト全部とテキストを同時に選択しておいて減算フレームを設定を操作します。

1つのオブジェクトの内側で、もう1つのオブジェクトの外側にレイアウトさせることもできます。外側のオブジェクトの内側には「テキストをパスの形にレイアウトする」で説明してある方法でレイアウトし、内側のオブジェクトの外側にはここで説明した方法でレイアウトします。

テキストとオブジェクトの間のすきま(マージン)も専用のハンドルをドラッグすることで変更することができます。テキストを選択し、さらにテキストツールを選択すると、そのテキストオブジェクトは編集状態になりますが同時にマージン調整用の四角いハンドルも表示されるのでこれをドラッグします。
回り込みを設定している場合は、外側のオブジェクトとのマージンを調整するハンドルと、回り込むオブジェクトとのマージンを調整するハンドルが両方表示されて、それぞれドラッグして調整することができます。

なお、原因と対策はまだわかっていませんが、回り込むオブジェクトとのマージンを調整するハンドルのほうはテキストオブジェクトから離れた位置に表示される場合があります。キャンバスをズームアウトすれば見つかります。