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Inkscapeのタイリングの規則:ぼかしと不透明度、色、トレース

 このページでは、タイルクローンを作成ダイアログで設定可能な各種タイリング規則のうち、ぼかしと不透明度トレースについて、個々にまとめていきます。

  (参考:タイルクローンとは

(2022.11.11更新)

ぼかしと不透明度

 ぼかしと不透明度タブでは、タイルクローンを新たに1行(あるいは1列)生成するときタイルクローンをどのぐらいぼかすか、どのぐらい不透明度を変化させるかを指定します。


 タブでは、タイルクローンを新たに1行(あるいは1列)生成するときタイルクローンの色をどのぐらい変化させるかを指定します。


 最初のタイルクローンの色は、初期の色で指定したものになります。

 ただし、指定した変化が適用されるのは、クローン元オブジェクトに何の色も設定されていない(アンセット、Unset)状態の場合だけです。クローン元オブジェクトのスタイルを未設定にしない場合はこの規則は適用されません(正確にいえば、適用されてはいるのですが、クローン元オブジェクトから継承したスタイルを使って表示されてしまいます。後でスタイルを未設定にすれば適用された結果の色が表示されるようになります。この辺の事情は「クローン」のほうにまとめました)。

 また、フィルとストロークの両方に色を設定していない(アンセットにしている)場合は両方とも初期の色から変化するように色が設定されます。どちらか一方がアンセットではなく、何らかの色が設定されている場合は、その設定されている色がすべてのタイルクローンに使われ、設定されていないほうの色だけ変化します。

トレース

 この規則を適用したい場合は、まずトレースタブのタイルの下側の描画をトレースするにチェックを入れます。

 そして、描画から採取するものを選び、採取した値をどのように補正するかを指定し、それをタイルクローンのどの属性に適用するか(抽出値の適用対象)を選択します。適用対象がの場合は、タブの場合と同様に、クローン元オブジェクトの色を設定していない状態(アンセット)にしておく必要があります。

 次のサンプルでは、アジサイの画像の左上に青い丸のシェイプを1つ描き、そのシェイプをクローン元オブジェクトとして選択しておきます。

 ここで、採取するものをに指定し、適用対象をサイズに指定して、タイルクローンを生成すると、各タイルクローンの下側のアジサイ画像の色を拾いつつ、その色に応じてタイルクローン自身のサイズを自動的に設定するので、次のようなタイリングとなります。

 適用対象をサイズではなく存在にすると、次のようになります。何らかのしきい値で、タイルクローンを配置するのか否かが決定されているようです。

 クローン元オブジェクトの色を青ではなく、設定なし(アンセット)にしたうえで、適用対象をにすると、次のようになります。