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Inkscapeのパスエフェクト:スライス

 このページでは、Inkscapeのパスエフェクトの1つである、パス > 分割メニューで1つのパスを複数のパスに分割する操作のパスエフェクト版を紹介します。

 パス > 分割メニューでは、重なっている2つのパスのうち下側のパスを上側のパスのところで分割しますが、このエフェクトは1つのパスを自動的に生成したまっすぐな分割線のところで分割します。

 (参考:パスをつなぎ合わせる/切り離す

 (参考:パスエフェクト/エクステンションとは

(2023.03.16更新)

 まず、分割したいオブジェクト(パス、シェイプ)を選択して、エフェクトダイアログ上でスライスを適用します。

 すると、垂直な分割線が現れます。この時点ですでに分割されていて、左側がオリジナルパス(の分割線から右側部分が消えているもの)で、右側が分割後のパスとして自動的に生成されたパスオブジェクトです。

 左側と右側は別々のオブジェクトなので、それぞれ移動したりスタイルを変更することができます。

 (なお、この例では分割線が垂直ではなく、少し傾いていますが、これは星形オブジェクトを対象としたときに起こる現象で、おそらくバグかと思います。)

 このエフェクトは、オリジナルパスの分割線から右側と同じ形のパスオブジェクトを自動的に生成して、オリジナルパスからそのパスオブジェクト(サテライトと呼ばれるそうです)へ内部でリンクします。

分割線の編集

 1本だけ現れる分割線は、ノードツールでオリジナルパスを選択すると編集できるようになります。

 ただし、分割線は通常のパスとは違い、曲げることはできません。

 ノードツールで編集状態にした分割線の両端と中点にハンドルが表示されます。両端のハンドルをドラッグすると分割線が回転します。中点のハンドルをドラッグすると分割線が並行移動します。

スライスエフェクトのダイアログ

 スライスエフェクトのダイアログは、次のようになっています。

 スタイルの初期化ボタンを押すと、サテライト側に設定したスタイルが再びオリジナルパスと同じものになります。

 垂直ボタンを押すと分割線が垂直になり、横書きボタンを押すと水平になります。ただし、星形オブジェクトの場合は正確には垂直・水平にはなりません。

 変形を許可というチェックボックスにチェックを入れると、分割後にサテライトを自由に変形(移動など)可能になりますが、チェックを外すと分割後も常にオリジナルパスとサテライトがくっついた状態を保ちます。サテライトを移動した後でチェックをはずすと、オリジナルパスに再びくっつきます。なお、スライスを使う目的からすれば、このチェックは通常は入れておけば良いと思われます。

スライスエフェクトの不思議な動き

 バグなのかもしれないですが、不思議な動きをすることがあるので、ここにメモしておきます。

  • スライスエフェクトに対して行った編集操作で元に戻す(Undo)ことができないものがある。
  • エフェクトダイアログはオリジナルパスを選択したときだけ表示される。(サテライトは別のオブジェクトであって、サブパスではないので)
  • 垂直ボタンと横書きボタンを繰り返しクリックすると、元に戻らなくなる。(不可逆な操作なのか?)
  • オリジナルパスを選択して削除するとサテライトだけが残る。一方、サテライトを選択して削除すると、分割線が無くなる(オリジナルパスが分割前に戻ったような見た目になる)。