このページでは、Inkscapeのパスエフェクトの1つである、基本機能である編集 > クローン > タイルクローンを作成メニューから生成するタイルクローンのパスエフェクト(LPE)版を紹介します。
タイルクローンと違って、オリジナルパスのクローンを生成するのではなく、独自のパスとしてタイルを生成します。
パスエフェクト版タイルを使ってどのようにタイリングするか(向きや大きさの変化のさせ方など)を指定するパラメータの種類は、タイルクローンのパラメータとは大きく異なるので、タイルクローンとパスエフェクト版タイルとでは、互いに出来ることと出来ないことが違います。(あまりにも違うので、どう違うのかを整理するのはあきらめました。)
(参考:タイルクローンとは)
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
(2023.03.17更新)
オリジナルパスを選択し、エフェクトダイアログ上で「+」ボタンを押してタイルエフェクトを適用すると、ダイアログ上で行数と列数に指定した数だけオリジナルパスの同形パスが縦横に並べられます。
エフェクトダイアログのパラメータ設定画面は次のようになります。
パラメータを何も変更しないデフォルト設定では、次のように単純に縦横にぴったり並びます。

間隔Xや間隔Yを変更すると、その分だけ隙間(間隔)を空けてから次のパスを並べます。ダイアログの入力欄に直接数値で指定することもできますが、ノードツールでオリジナルパスを選択すると、間隔を変更させるためのハンドルが表示されるのでこれをドラッグして変更することもできます。

間隔Xや間隔Yの入力欄の右側にあるランダムに決定するボタンを押すと、間隔Xや間隔Yに指定した隙間を1.0として、0.0から1.0までの間でランダムに変化させた間隔で並べます。なお、オリジナルパスと同じ行(列)だけはマイナス方向にずれます。

オフセット倍率を変更すると、オリジナルパスの縦横の長さに間隔を加えた長さの指定値(%)だけ、次に並べるパスを平行移動します。

パス間のすべての間隔がこの倍率だけ大きくなるのではなく、1行おき(または1列おき)にその先頭の間隔だけがこの倍率分の間隔になります。
オフセット倍率の入力欄の右側にあるボタンで、1行おきにするか、1列おきにするかを切り替えることができます。
表示倍率を変更すると、その倍率だけ大きく(または小さく)しながら並べます。どのぐらい大きく(または小さく)なるかというと、オリジナルパスの縦横の長さにこの倍率をかけた長さの分だけ大きく(または小さく)します。だから100%を指定すると、2倍に拡大されます。

注意点として、次の行(または列)との間には、オリジナルパスのサイズや間隔に指定した長さに応じて何らかのルールで決まるらしい間隔が自動的に挿入される点があります。このルールがどんなものなのかはわからなったので、表示倍率を変更したときのレイアウトがどのようになるのかも、やってみないと分からない面があります。
回転角を変更すると、その角度(度)だけ回転しながら次の行(または列)を並べていきます。回転角の入力欄の右側にあるボタンで、どの方向に並べるときに合わせて回転させるかを選択します。
さらに、鏡面変形にチェックを入れると、1行(または1列)おきに指定した角度分だけ反転を繰り返します。
隙間を最小化にチェックを入れると、表示倍率を変更したときに自動的に挿入される隙間が小さくなります。どのぐらい小さくなるのかはやはり何か計算式があるらしいですがよくわかりません。表示倍率も使って計算しているようなのですが。
要素を分割にチェックを入れると、各タイルがそれぞれ独立したオブジェクトとして生成されます。その結果、大きさと位置以外のスタイルをタイルごとに変更することができるようになります。このチェックを入れない場合は見た目上タイルが表示されるだけ(真の分身の術?)なので、個々のタイルのスタイルを変更することはできません。
また、さらにリンクスタイルにチェックを入れると、各タイルがそれぞれ独立したオブジェクトとして生成されますが、オリジナルパスにリンクされた状態(クローンに似ています)になるので、個々のタイルのスタイルを変更することはできません。
鏡面モード
鏡面モードのところに並んでいるアイコンをクリックすると、繰り返しのパターンを切り替えることができます。
タイルクローンで切り替え可能な17種類の文様群(参考:タイリングの規則:対称化)との対応関係を調べてみました。鏡面モードとして並んでいるアイコンは一見すると別々のパターンのように見えますが、重複しているものもありました。
タイルクローンのほうで切り替え可能なパターンのうち、CMM、P4、P4M、P4G、P3、P31M、P3M1、P6、P6Mの9種類は、パスエフェクト版のほうでは切り替えられないようです。