このページでは、パスの角を丸めたり(フィレット)、面取りしたりしてくれるエフェクトを紹介します。

- Contents
- エフェクトの概要
- ダイアログはどうなってる?
- 各パラメータの意味
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
(参考:パスを作成/編集)
(2024.03.22更新)
エフェクトの概要
パスエフェクトダイアログ上では「角」という名前のエフェクトとして表示されます。

どのぐらいの大きさで丸めるか(面取りするか)を半径で指定したり、選択した角だけを丸めたり(面取りしたり)することができます。
オリジナルパスを選択してこのエフェクトを適用すると、初期状態として半径「ゼロ」で角が丸められます。(つまり角は角張ったまま)
だからエフェクト適用直後は何の変形もされていないように見えますが、ダイアログ上で半径を「ゼロ」よりも大きいものに変えると、次のように角が変形されます。

「角」と言っていますが、角張っている必要はなくて、スムーズノードなどのように曲線状の「角」の変形も可能です。

ダイアログはどうなってる?
ダイアログで設定可能なパラメータは次のようになっています。

各パラメータの意味
単位は、その下の半径に指定する数値の単位を選択します。
方式は、ベジエを強制、弧を強制、自動の中から選びます。弧を強制すると、角の周辺の形によってはなめらかに丸まらないことがあるようです。
方式を自動にすればなめらかに丸まるようになります。

半径は、角からどのぐらい手前で丸め始めるのかを指定する値になります。
わかりやすい例として、直角の角を丸めた場合の半径がどこに当たるのかを黒い矢印で示してみました。

同じように、少しとがった角の場合の半径がどこなのかを示します。これでわかるように、半径を大きくするほど、角のずっと手前から丸くなるようになります。

半径を数値ではなく、マウスのドラッグで指定することもできます。ノードツールでエフェクト適用対象のパスを選択すると、パスのノードに加えて、結節点(Knot)が表示されます。なお、バージョン1.2以前は結節点は「◇」の形のハンドルとして表示されていましたが、バージョン1.3では「▽」の形のハンドルで表示されるようになりました。この結節点をドラッグすると次のように画面上で半径を指定することができます。(参考:パスを作成/編集)

複数のノードを同時に選択した上で結節点をドラッグすると、その複数ノード全部の半径を一緒に変更することもできます。
半径の代わりに結節点の距離を使用にチェックを入れると、半径として指定した数値を角のノードから結節点までの距離として扱います。どの部分の距離なのかを例で示すと次のようになります。

半径を%で指定にチェックを入れると、半径に指定した数値はそのままで、単位を無視して「何パーセントの半径にするか」を指定したものとして扱います。何に対する割合を指定したことになるかというと、具体的な説明をネット上で見つけられなかったのであくまでも推測なのですが、その角の次のセグメントの長さに対する割合であるようです。次の例はパスの向きが分かりやすいように矢印にした上で、距離として「50」を指定した(すなわちセグメント長の半分の距離のところで丸める)ものです。

なお、ダイアログ上でこれらのパラメータを変更した場合、それがすぐ反映されないことがあります。その場合は半径の値を一度替えてから元に戻すということをすると反映されます。
半径=0のとき変化を適用にチェックを入れると、半径の値などを変えたときに、その直前で半径がゼロでない(すでに丸められている)角は反映の対象ではなくなります。半径>0のとき変化を適用のチェックも同様です。
選択ノードのみ変更にチェックを入れると、パスのノードのうち選択したものについてだけパラメータ(半径の値など)の変更を反映させます。
選択ノードのみ変更のチェックは、結節点をドラッグする操作には無関係です。結節点のドラッグの場合は選択ノードのみ変更にチェックが入っているかどうかに関係なく、選択したノードだけについて半径が調整されます。
次の例では2つのノードだけを選択(青く表示される)しておいて半径を変更しています。

また、結節点を表示しているとハンドル表示が混んでしまい、パスのノードを選択しにくい場合は結節点を非表示にチェックを入れると、パスのノードだけが表示される状態になります。
ダイアログの一番下に、角をどのように変形するか、その種類を選択するボタンがあります。半径などの指定値はそのままで種類だけ切り替えます。
次の例は、左がフィレット、右がフィレットを反転をクリックした場合です。

次の例は、左が面取り、真ん中が面取り(+面取りステップ数を「2」に)、右が面取りを反転をクリックした場合です。

面取りの場合も半径などの値はそのまま使われます。どの位置で面取りしているのかわかるように、同じ半径でフィレットと面取りの場合を重ねて描いてみました。
