Inkscapeには、パスその1をパスその2に沿って並べる方法がいくつかあります。代表的なものは「パスに沿うパターン(Pattern Along Path)」ですが、エクステンションの「散乱」を使う方法や、並べたいパスその1をマーカーとして登録する方法もあります。
このページでは、それぞれの特徴を比較してみます。
(参考:パスに沿うパターンを描く)
(参考:エクステンション:散乱)
(参考:オリジナルのマーカーを作ってみた)
(2023.04.13更新)
ここでは比較用のサンプルとして、左のパスオブジェクトを右のパスに沿って並べてみます。

パスエフェクト版「パスに沿うパターン」

パスエフェクト版では、並べるパスその1は1個のパスオブジェクトでなければならないので、パスやシェイプのオブジェクトグループは並べることができません。このサンプルでは複数のパスをあらかじめ結合してからエフェクトを適用しています。
また、並べた後のパスその1はパスその2のスタイルに揃えられます。
パスその1はパスその2に沿うように曲げられます。
パスその1のほうを編集して反映させることもできます。詳しくは「パスエフェクトの使い方(共通部分)」を。
エクステンション版「パスに沿うパターン」

エクステンション版では、1つのパスオブジェクトだけでなく、複数のパスやシェイプのオブジェクトグループであってもパスその1として並べることができます。
また、並べた後のパスその1のスタイルは維持されます。
パスその1の各ノードをパスその2に沿うように移動しているので、まっすぐなセグメントはまっすぐなままとなります。
並べられたパスその1は独立したオブジェクトなので、自由に編集できます。
エクステンション「散乱」

「散乱」も、1つのパスオブジェクトだけでなく、複数のパスやシェイプのオブジェクトグループであってもパスその1として並べることができます。
また、並べた後のパスその1のスタイルは維持されます。
パスその1は変形されることなく、パスその2に沿うように並べられます。
並べられたパスその1は独立したオブジェクトなので、自由に編集できます。
マーカーを使って並べる
パスその1をマーカーとして登録し、パスその2のノードの位置に表示させる方法です。

ただし、あくまでもノードの位置に表示するので、パスその1を隙間なくぴったり並べたり、等間隔に並べたりするのは簡単ではありません。
1つのパスオブジェクトだけでなく、オブジェクトグループやビットマップオブジェクトも並べることができます。
また、並べた後のパスその1(マーカー)のスタイルは通常は維持されます。SVG形式ファイルに保存した後で直接エディタ等で編集すればパスエフェクト版と同じようにパスその2のスタイルに揃えることもできます。詳しくは「オリジナルのマーカーを作ってみた」を。
一度並べたマーカーは、大きさや角度の変更が可能ですが、編集してから再度マーカーに登録する作業が必要な場合もあります。