このページでは、Inkscapeを使って枠線で描く矢印の描き方について考えてみたいと思います。

(2024.07.12更新)
まず普通にパスを描きます。変形は後からできるので、とりあえずどんな形でもかまいません。

このパスを太くします。最終的に描きたい矢印の太さにします。

フィル/ストロークダイアログのストロークのスタイルタブで矢印のマーカーを設定します。デフォルトでは結構大きな矢尻になります。

バランスが悪いので、矢尻部分を小さくします。ストロークのスタイルタブでマーカーを設定するダイアログの下半分に「サイズX」「サイズY」という値を入力するフィールドがあります。ここの値を小さくすると、パスのストロークの幅に対するマーカー(矢尻)の大きさの比率が小さくなります。

例として「0.5」にしてみます。

線の太さとのバランスがいい感じになりました。
次にこの矢印マーカーを設定したパスをノードツールを使って好きなように変形します。操作は通常のパスの編集と同じです。
ここでこの矢印を付けたパスを、その縁をなぞる形のパスに変換します。メニューでパス > ストロークをパスに変換を操作すると、次のように見た目は変わらないままで縁をたどったパスになります。

この変換後のパス(縁取ったパス)はフィルが塗りつぶされていますが、最終的にはその枠(ストローク)だけに色を付けた矢印にしたいので、ストロークのスタイルタブでフィルを塗りなしにして、ストロークには色を設定します。

次にこの曲線部分のパスと矢尻部分のパスを「統合」することで1本の枠線にしたいのですが、このままではできません。
この状態のパスはストロークをパスに変換という操作のクセで自動的に次のようなオブジェクトグループを構成していて、一方で「統合」の操作はパスオブジェクト自身に対してしか実行できない(オブジェクトグループを選択しておいて実行しても何も起こらない)ので、このオブジェクトグループを解除してから「統合」を実行する必要があります。

グループが2階層になっているのでグループを解除を2回実行します。

これで統合できるようになったので、パス > 統合を操作すれば枠線で描いた矢印になります。
