このページでは、Inkscapeのオブジェクトの縦と横の比率を決めた比率に設定する方法を紹介します。
Inkscapeにはオブジェクトの縦と横の長さを直接数値で設定する画面(変形ダイアログの拡大縮小タブ)があります。
これを使えば何ピクセルの大きさにするか何cmの大きさにするかを指定できますが、同様に縦横の長さを指定した比率(%)にすることができます。
例えば、黄金比(1:1.618)にすることができます。
(2023.02.09更新)
ただし、拡大縮小タブで「%」の値を指定した場合は、「現在の長さを100%としたときに何%に拡大縮小するか」を指定したことになるので、縦と横をある比率にしたいときは、まず縦と横が同じ長さになるようにしておく必要があります。
例として、縦横が「1.618 : 1.0」の黄金比になる長方形を描いてみます。
まず、正方形を描きます。(参考:正方形/正円の入力)
そして、次のように拡大縮小タブで、単位を「%」に切り替えて、高さの欄に「161.8」と入力し、適用ボタンを押します。

すると、次のように正方形が上下に伸びて黄金比の長方形になります。

複数のオブジェクトを選択した状態で同じ操作を行っても、オブジェクトごとに同じ比率で拡大縮小されますが、ダイアログ上の各オブジェクトに個別に適用というチェックを入れているかどうかで結果が違います。
チェックを入れていない場合は、次のように、複数オブジェクト全体のバウンディングボックスの中心に対して上下に伸びます。

チェックを入れている場合は、次のように、各オブジェクトごとにその中心に対して上下に伸びます。

伸び縮みする中心を変更することはできないようです。
なお、変形時ではなく、矩形や円弧の新規入力時にCtrl(コントロール)キーを押しながらドラッグすると、縦横が1:1や1:2のところピッタリにドラッグできるのと同じように、黄金比になるところピッタリにもドラッグできますが、矩形ツールや円弧ツールの新規入力時限定ですし、ちょうどいいところで止めるのはなかなか難しいです(笑)。