このページでは、オリジナルパスを押し出し成形して柱状の3D物体にするかのように変換してくれるエフェクトを紹介します。
(2023.09.06更新)
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
ただし、生成されるパスは、柱状物体のワイヤーフレームのようなものになります。必要に応じて、表面にあたるところのフィルを不透明にして3D物体に見えるように編集する必要があるかもしれません。
次の例では、円弧を描いて、押し出しエフェクトを適用し(2番目)、さらにノードツールで選択して押し出しの距離と角度を指定するためのハンドルを表示させて(オブジェクトの下のほうに表示されています)ドラッグしたもの(3番目)です。

このようにして生成したパスで囲われている領域のうち、手前に重なっている面にあたる部分を何かの色で塗りつぶすことで3D物体に見えるようにしたいことが多いと思います。
Inkscapeバージョン1.2以前では、少々面倒な次のような編集手順になります。
上の例の場合、エフェクト適用後にパス > オブジェクトをパスへメニューで全体を1つのパスオブジェクトにし、さらにパス > 分解メニューでサブパスをバラバラにして複数のパスオブジェクトにすると、次の2番目のように上半分と下半分を別々のパスオブジェクトにすることができます。さらに、上半分のパスのフィルを塗りつぶせば3D物体(丸まった板)に見えるようにできます(3番目)が、これは元のパスが比較的単純な形だったので何とかなりますが、複雑なパスだった場合はもっと大変かと思います。
バージョン1.3で同じことをすると…
ところで、Inkscapeバージョン1.3では「シェイプビルダツール」というツールが追加されて、これを使うと、パスで区切られた領域をマウスをドラッグするだけで簡単に合体することができます。
このシェイプビルダツールを使って、同じことをやってみると次のようになります。
押し出しエフェクトを適用した直後のオブジェクトを選択しておいてから、ツールバーからシェイプビルダツールを選択すると、シェイプビルダの編集状態になるので、次のように手前に重なっている面にあたる部分をドラッグします。

こうしておいて、シェイプビルダの編集を終了すると、次のように、フィルを不透明に塗りつぶすのではなく、手前に重なって見えるようなパスに変換することができます。

