このページでは、Inkscapeのパスエフェクトの1つである、パワークリップエフェクトを紹介します。
Inkscapeの基本機能にある通常のクリップではクリッピングパスの内側を残すように切り取られますが、その反対側(クリッピングパスの外側)を残すように切り取れるように拡張したものがパワークリップエフェクトです。
(参考:クリッピングとマスキング)
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
(2024.02.02更新)
通常のクリップを設定したオブジェクトを選択した状態で、エフェクトダイアログから「+」ボタンを押してパワークリップエフェクトを適用します。
・・・というのは昔のバージョンでの話で、どのバージョンからそうなったのかリリースノートに該当する記載を見つけられないので分からないのですが、バージョン1.3ではエフェクトダイアログ上のパワークリップエフェクトのアイコンはグレーアウトされてしまっていて選択できません。バージョン1.3ではパワークリップエフェクトを適用するには、メニューでオブジェクト > クリップ > クリップを反転して設定を操作します。
次の例では、楕円をクリッピング対象として、星形をクリッピングパスとして、両方選択してクリップを設定し(2番目)、さらにパワークリップを適用したもの(3番目)です。

パスエフェクトなので、クリッピング対象はパスに限られるように思いますが、クリッピング対象オブジェクトはパスである必要はないようです。おそらく、パワークリップは、クリッピング対象に対して適用されるエフェクトではなくて、クリップを実現するためのマスクヘルパーに対して適用されるエフェクトなのだと思います。(参考:クリッピング/マスキング済みオブジェクトの選択)
パワークリップのパラメータは次のようになっています。

クリップを反転にチェックが入っているときは、クリッピングパスの外側が残るように切り取られた結果が表示されます。
クリップを非表示にチェックを入れると、パワークリップが適用されていないかのような表示になります。
クリップをパスに戻すにチェックを入れると、クリッピングされている境界線のところがクリッピングパスから通常のパスに戻されて表示されます。
