Inkscapeを使って、立体的に陰影のあるチューブ状の絵を描いてみます。

(2023.04.27更新)
Inkscapeには、曲がったパスに沿ってグラデーションを設定する機能がないので、上のようにチューブ状の物体に見える絵を描くときは別の方法を考えないといけません。
(参考:グラデーションを作る)
ネットで検索すると、パス上に別の小さいパス(例えば円)をびっしりと並べることで陰影を付ける方法が紹介されていたりしますが、影の角度がチューブに沿っていなかったりして、少々不満なところです。
そこで別の方法を考えてみました。同じ形のパスを少しずらして重ねておいて、その差分パスを生成し、ぼかしてから重ねるという、影を付けるときの基本的な方法です。
まず、チューブ状に見せたいパスをパス > ストロークをパスに変換メニューで細長い閉じたパスに変換します。

このパスに対して、暗い部分と明るい部分だけを表すパスを別途作って、元のパスに重ねることを考えます。
元のパスを複製して、それぞれ暗い色と明るい色で塗りつぶします。

この暗い色のパスと明るい色のパスを、(影を付ける角度を考えながら)それぞれ少しずらして重ね、パス > 差分メニューで重なっていない部分だけが残るように差分をとります。

そして、この差分パス2つと元のパスをぴったりくっつくように並べた上で、差分パス2つにぼかしを入れ、元のパスの位置でクリップします(参考:クリッピングとマスキング)。この残った部分が、元のパスに重ねることで陰影を表現することになるパスです。

最後は、元のパスの上に差分パス2つ(をクリップしたもの)を重ねて完成です。
