このページではInkscapeのテキストオブジェクトに各種パスエフェクトを適用することで、いろんなデザインの文字を描く方法について紹介します。

(2023.11.2更新)
はじめに
ところでテキストオブジェクトもオブジェクトの一種には違いないので、他のシェイプやパスなどと同じようにフィルやストロークの色を変えたり、パターンで塗りつぶしたり、フィルタを適用したりすることはもちろん可能です。
そうすることでいろんなデザインの文字を描くことができるわけです。
さらにパスエフェクトをテキストオブジェクトに対して適用すれば、他の種類のオブジェクトと同じように、テキスト全体を曲線に沿って曲げたり、透視図のように立体的に見えるように変形したりして、もっといろんなデザインの文字を作り出すことができるだろうと思い付きます。
ところがパスエフェクトはシェイプオブジェクトやパスオブジェクトには適用できても、テキストオブジェクトに適用することができません。パスエフェクトを適用しようとして、パスエフェクトダイアログを表示させると、そこには次のようなメッセージが出ます。

テキストオブジェクトだってフィルやストロークから構成されているし、いつでもパスオブジェクトに変換できるぐらいなのだから、パスエフェクトが適用できてもまったく不思議はなかったのですが、どういうわけかそうなっています。
しかしクローン機能を使えばテキストオブジェクトに直接パスエフェクトを適用することはできなくてもそれと同じ効果を得ることができるので、その手順を紹介しようというわけです。
パスに変換してからパスエフェクトを適用すると
テキストオブジェクトに直接パスエフェクトを適用できないのであれば、テキストオブジェクトをパス > オブジェクトをパスへメニューを操作してパスオブジェクトに一旦変換してからパスエフェクトを適用すればいいのじゃない?とも考えられます。
しかしその方法ではパスエフェクトを適用した後で文字列を編集したい(例えば「ABC」というテキストオブジェクトに文字を追加して「ABCDE」にしたい)と思っても、すでにテキストオブジェクトではなくなっているので不可能です。
ここでやろうとしていることは、文字列としても編集できる状態を保ちつつ、パスエフェクトも適用しようということです。
テキストにパスエフェクトを適用する手順
まず適用したいテキストを描きます。

このテキストオブジェクトのクローンを作ります。

見た目に違いがないのでわかるはずもありませんが、右がクローンです。
そしてこの右のクローンのほうを選択してパスエフェクトを適用します。
例えば「透視図/エンベロープ」というエフェクトを適用して、立体的に見える文字にしてみます。
する次のようにクローン元であるテキストオブジェクト(左側)をテキストツールで選択して編集(「ABC」→「Agh」)したとき、右側のクローンのほうもそれに合わせて文字列が変化します。

実際の絵図ではこの右側のクローンのほうだけ使うようにすれば、いつでも文字列を編集可能で、かつ、パスエフェクトが適用されたテキストを利用することができるというわけです。