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Inkscapeバージョン1.3.2の変更点

 このページでは、2023年11月にリリースされたInkscapeバージョン1.3.2について、リリースノートを読みながら直前のバージョン1.3からどのような変更があったのか主なものをメモしていきたいと思います。

  • Contents
  • バージョン1.3.1のバグ
  • グリッド線へのスナップ
  • 1文字ごとの分割
  • シェイプビルダツールの改善
  • グループ内のオブジェクトを右クリックで編集

(参考:バージョン1.3の新機能

(2023.12.06更新)

 バージョン1.3.2にバージョンアップした上で使っていれば自然に分かるような(あるいは気づかないような)細かい変更点や異常終了してしまうバグの修正などについてはとりあえず省略します。

バージョン1.3.1のバグ

 「変更点」と言っておきながらいきなりバグの話ですが、1つ前のバージョン1.3.1のダウンロードページに警告メッセージが載っています。

 それによれば、バージョン1.3.1には星形(stars)、らせん(spirals)、3Dボックス(boxes)が正しくファイルに保存されないというバグがあるとのことです。おそらくツールで入力可能な3種類のシェイプのことを指していると思われます。また「星形」が指すものの中に「多角形」も含まれているのだろう(その2つは同じツールで入力できるから)と想像しました。

 そのためバージョン1.3.1は使わず最新版(2023.12.06現在)のバージョン1.3.2を使うよう指示されています

グリッド線へのスナップ

 グリッドの線をスナップ対象からはずす(グリッドの交点はスナップ対象のままにする)機能が追加されました。

 以前はグリッドの交点に向かってスナップさせることは可能でした。

 バージョン1.3.1ではさらにグリッドの線の上にもスナップさせることができるようになりました。

 なお、スナップさせた点のそばに表示される小さいメッセージ(Tooltip)の日本語の文字化けは修正されていないらしく、「□」に化けたままでした。

 グリッドの線の上にスナップさせたいときは、スナップダイアログ(Snap Popover)に合わせて追加された「Grid Lines」というチェックボックスにチェックを入れます。ここにチェックを入れない場合(「グリッド」のほうだけチェックする場合)はグリッドの交点にだけスナップされます。

 (参考:スナップ機能

1文字ごとの分割

 テキストオブジェクトを1文字ごとにバラバラにする機能が追加されました。

 テキスト > Text to Gryphsというメニューが追加されていて、それを操作するとテキストオブジェクトの文字列を1文字ごとのテキストオブジェクトにバラバラにしてくれます。

 この操作ではカーニング(隣の文字との相対的な位置関係をずらす)の位置は保たれますが、それ以外の文字単位の回転や上下のずれは無視されて元に戻ってしまうようです。

 (参考:テキストオブジェクトの作成と編集

シェイプビルダツールの改善

 シェイプビルダツールが生成するパスのノードの数が不必要に多くなってしまうという問題が解消されて、適切な数のノードを含むパスを生成してくれるようになりました。

 バージョン1.3ではシェイプビルダツールを使ってパスを生成すると、そのパスは非常に多くのノードを含んでいるものになってしまっていたのを改善しています。

 (参考:シェイプビルダツールの細かい話

グループ内のオブジェクトを右クリックで編集

 グループ内の個々のオブジェクトを「Cntlキー+クリック」で選択した状態で、さらにそのオブジェクトの上をマウスの右ボタンでクリックしたときに表示されるメニューがそのオブジェクトを編集するためのもの(いわゆるコンテキストメニュー)に修正されたそうです。

 バージョン1.2までに修正されていたバグだったのにバージョン1.2以降で復活してしまっていたらしいです。