このページでは、Inkscapeを新しいバージョンにアップデート(更新)する際に意識しておいたほうが良さそうなことをメモしたいと思います。
OSの種類やバージョン、CPUの違い、前回Inkscapeをインストール(またはアップデート)したときに指定したフォルダなどによってアップデート時の状況も異なってくるので、ここではあくまでも「自分のPC(Windows)で将来アップデート作業を行うときにまごまごせずに済ませるためのメモ」というスタンスです。
なお、Inkscape配布サイトではアップデート時に古いほうの(インストール済みの)Inkscapeをアンインストールしてからアップデートを行うよう指示されているので、2回目以降のアップデートインストール時のポイントは初回インストール時にも通用する部分があると思います。
- Contents
- アップデートが可能になったことを知るには?
- アップデートする前にチェック
- 前のバージョンはアンインストールする
- アップデート時にそれまでの設定などはどうなる?
- アップデートによる変更点は?
- アップデートする
(2024.01.16更新)
アップデートが可能になったことを知るには?
Googleなどで「Inkscape」というキーワード1個で検索すると、たいていの場合一番上に最新版の情報が表示されるので、それを見ればアップデートできるようになっているかどうかが分かります。
「アップデートできそう」と思ったらすかさずリリースノート公開サイトを見にいくと、自分が使っているバージョンよりも新しいバージョンのリリースノートが公開されていることが確認できるので、早速アップデート作業にとりかかります。
なお、Inkscapeの機能として「アップデートできる状態になってるよ」とお知らせする機能はないそうなので、現在インストールしてあるバージョンと比較して判断する必要があります。現在インストールしてあるバージョンはInkscapeのメニューでヘルプ > Inkscapeについてを操作するとウィンドウがポップアップし、その右下に表示されます。
アップデートする前にチェック
Inkscapeの最新版のダウンロードページに最新版それ自体の問題点が書かれていることがあるので、アップデートを実行する前に読んでおくのが良さそうです。
おそらくリリースの直前や直後に発見された不具合の情報だと思われます。
自分のInkscapeの使用目的に引っかかる問題点が書かれていたらアップデートするのは待ったほうが良さそうです。
前のバージョンはアンインストールする
Inkscapeの配布サイトではそれまで使っていた前のバージョンのInkscapeを手動でアンインストールしてからダウンロードファイルを実行するよう指示されています。理由は分からないのですが。
アンインストールはWindowsのスタートメニュー(「田」の字のようなボタンで表示されるメニュー)から「設定」を選び、アプリ > インストールされているアプリの順で画面を開いて、アプリ一覧の中の「Inkscape」の右のほうにある「…」をクリックすると表示されるメニューから「アンインストール」を選択すると開始されます。

アップデート時にそれまでの設定などはどうなる?
前のInkscapeをアンインストールした時点でユーザごとの設定ファイル(preferences.xmlや自作したシンボルを格納したファイルなど)は消されずに残っているようなので、特に何もしなくてもプログラム部分だけ更新してくれそうです。
独自に追加したシンボル、追加したパターン、追加したフォント、追加したパレットは、それらを格納したファイルをユーザごとのフォルダ(「AppData」の下)に置いた場合も、複数ユーザで共有されるInkscapeインストール先フォルダ(「Program Files\inkscape\share」の下)に置いた場合もアンインストール→アップデートのインストールの手順の中で消されずに残っているようです。
独自に追加したフィルタ、追加したマーカーについては、インストール時に格納されるファイルを直接編集することで追加するという方法しか分かっていませんが、その直接編集したファイルはアンインストールで消されてしまいます。直接編集したファイルをバックアップしておいて手動で元に戻すしかなさそうです。
いずれにしてもアンインストール→アップデートのインストールの手順の中で各ファイルがどう扱われるかは保証されているわけではない(実際にやってみたらそう動くように見えるというだけ)のでそれぞれバックアップしておくべきだろうと思います。
アップデートによる変更点は?
アップデートすることでどのような機能変更が行われることになるのかはリリースノートに書かれています。
Inkscapeには残念ながら最新版の機能を網羅している「純正の」解説コンテンツが無い(というか純正でないものを含めても網羅的な解説コンテンツが無い)ようです。
そういう事情のため、最新版の機能を詳しく知るのは過去のアップデートも含めてリリースノートを読むのが一番早いと思います。なお、このサイトでもリリースノートの内容をバージョンごとに要約してまとめています。(詳しくは「各バージョンの詳細」を)
アップデートする
Windows 11 Home Editionの場合で言えば次のような手順です。
Googleなどで「Inkscape」を検索すると、最新版のダウンロードページが上位にヒットするので、そのダウンロードページへ行きます。
そのページで「OS別→アーキテクチャ(64ビット?32ビット?)別→ダウンロードファイル種別」という順にリンクをたどれば最新版のインストールパッケージファイルのダウンロードが始まります。
自分のPCが64ビットなのか32ビットなのかすぐ忘れてしまうのですが、スタートメニュー(「田」の字のようなボタンで表示されるメニュー)から「設定」を選び・・・

システム > バージョン情報の順で画面を開くと「システムの種類」という項目のところにアーキテクチャがどちらなのか表示されます。

ダウンロードファイル種別は「.exe」「.msi」「.7z」の3種類がありますが、たいてい「.msi」をクリックします。クリックするとすぐダウンロードが始まります。
「.exe」や「.7z」でもいいのでしょうけれど、「.msi」だとその後のインストール手順が少し短いようだし、インストール画面の構成も他のソフトと共通のものになるそうなので、好みで「.msi」を選びます。「.exe」「.7z」にはどのようなメリットやデメリットがあるのかをネットで検索してみましたが、ファイル形式の違いを辞書的に説明しているものばかりで具体的なメリットやデメリットは分からなかったので好みを優先しています。「.exe」のほうが実行が速いとか細かいインストール設定を指定できるということもあるようですが、個人的にはメリットをそれほど感じません。
クリックするとすぐダウンロードが始まってしまうので、ダウンロードしたファイルをどこに保存するのか途中で指定できませんが、Windowsのデフォルトのフォルダ(「ダウンロード」)に保存されています。
このダウンロードファイルは別のフォルダにいつも移動して保管しています。Inkscapeは古いバージョンのほうがうまく動作する機能があったりするので、古いダウンロードファイルもまとめて保管しておいて、いつでも古いバージョンに戻して使えるようにするためです。
あとはダウンロードした「.msi」ファイルをダブルクリックして実行すればインストールが始まり、インストール画面上でいくつかボタンを押したりするだけでインストールが完了して、デスクトップにInkscapeの起動アイコンが追加されます。