このページでは、Inkscapeを使って算数の授業で使うような立体図の描き方を考えてみたいと思います。

(2024.10.01更新)
といっても、YouTubeなどを漁って、Inkscapeのテクニックとして紹介されている「立体の描き方」を自分なりに整理しただけです。
まずは直方体のような立体です。3つの四角形パスの角を揃えれば直方体っぽくなります。
四角形のパスを3つ描きます。とりあえず適当な形からスタートして、ノード同士がスナップするように設定しておいてからノードツールを使ってパスのノードをドラッグしてピッタリ重なるようにすれば簡単に直方体のフレームになります。
そして3つのパスのフィルに適当な色を付けます。

これだけでもいいですが、次のように3つのパスのフィルそれぞれに線形グラデーションを設定するともう少し格好良くなると思います。グラデーションの角度も適当に水平からズラすといい感じになります。

次に円柱状の立体です。楕円と長方形を重なるように描いてからシェイプビルダツールで一部分を合体する(下の例では矩形と下のほうの楕円とを合体する)と円柱の側面のように見えるパスを描くことができます。そして各パスのフィルにそれっぽく色を付けます。

直方体の例と同じように各パスに線形グラデーションを設定します。円柱の側面は曲面ですが細かいことを気にせずに水平に線形グラデーションを付けるだけで立体感が出ると思います。

側面にあたるところのグラデーションに両端以外の分岐点を追加して薄い(白っぽい)色を付けると金属風になったりします。

次に三角錐状の立体です。三角形のパスを2個描いてくっつければ三角錐に見えなくもないですが、ついでなので本来なら隠れて見えない「底面」が少し透けてみえるようにします。
直方体のときと同じ用に適当な形で三角形(のパス)を3つ描きます。そしてノードツールを使って各頂点がピッタリ重なるようにノードを移動します。フィルに色を付けるときは手前の2面に対しては不透明度を「100」よりもほんの少しだけ小さいものにします(そうすると底面が透けて見える感じになる)。

そしてこれまでと同様に3つの三角形に線形グラデーションを設定します。

次に円錐状の立体です。これまでの例と違って線形グラデーションでは円錐の曲面の感じが出ないので代わりにメッシュグラデーションを使ってみます。
2本の線分と楕円を1つ描き、円錐の頂点にするところで線分を合体し、残りの2つの端を楕円に接する位置に移動します。

接する位置に移動するには「接線の描き方」に書いた方法を使います。線分の端のノードを楕円に接する位置に移動したところを拡大すると次のようになります。

ここで底面になる楕円を1つコピーしておいて(後で使う)から、2つの線分の端同士を連結して三角形にします。そうするとシェイプビルダツールで楕円と合体できるようになります(閉じたパス同士でないと合体できない)。

そしてさきほどコピーしておいた底辺用の楕円に色を付けて重ねます。色はあとで透けて見えるように少し濃いめの色にしておきます。

次に円錐状に見えるようにメッシュグラデーションを設定しますが、上下左右のグラデーションパスがあれば十分なので、メッシュツールのツールコントロールバーのパラメータで次のように1行1列のメッシュを作るように設定しておきます。

この状態でメッシュグラデーションを設定します。設定直後は次の1番目の例のようにデフォルトで斜めに変化するグラデーションになっていますが、4つある分岐点のうち左側の2個について濃い色を設定し、右側の2個について薄い色を設定すると次の2番目の例のように左右に変化するグラデーションになります。ただしこれでは線形グラデーションと同じ状態なので円錐状にあまり見えません。上側の2個の分岐点をドラッグして円錐の頂点の近くに移動する(次の3番目の例)とグラデーションも末広がりの変化になるので、より円錐状に見えると思います。

最後に全体の不透明度を少しだけ小さくすると底辺の楕円が透けて見えるようになります。

さらに「フィルム粒子」というフィルタをかけてみました。
