このページでは、Inkscapeのパスエフェクトの1つである、オリジナルパスの上にノードを増やして、さらにノードの位置をランダムにずらすことで、粗い(ラフな)線に変換してくれるエフェクトを紹介します。
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
(2023.03.22更新)
エフェクトダイアログの画面は次のようになっています。

まず、分かりやすい例として、方式というプルダウンメニューでセグメント数によるを選択し、セグメント数として「3」を指定してみます。こうすると、オリジナルパスの各セグメントごとに2個のノードを追加して「3」セグメントに変換した上で、各ノードがランダムに移動します。

セグメント数を変えれば、例えば次のように細かく曲がる線に変換されます。

セグメント数によるに替えて、最大セグメントサイズによるを選択すると、最大セグメントサイズに指定した長さをセグメントの上限とするようにランダムにノードが追加されます。

変位量を指定すると、その範囲内でランダムに移動します。
全体のランダム化を1.0より小さい値に変更すると、通常のランダム移動に対して、この値を掛けた変位量に抑えられます。もちろん1.0よりも大きい値に変更して、変位量をさらに大きくすることもできます。
変位量も全体のランダム化もその右側にあるサイコロのアイコンをクリックすると乱数生成のシードが初期化されます。
ハンドルというプルダウンメニューでは、ノードの移動量とは別に、ノード自身をどのようなタイプに変化させるかを指定します。
ノードに沿ってを選択すると、オリジナルパスのノードのタイプとノードハンドルの位置を変えずにノードを平行移動します。(次の例ではハンドルを表示エフェクトを使ってノードとノードハンドルを表示させています。)

引っ込めるを選択すると、各セグメントをまっすぐにしたまま(つまり「引っ込める」ということか?)でノードを移動します。

不規則にを選択すると、ノードのタイプもノードハンドルの位置もランダムに変化します。サイコロアイコンをクリックしてシードの初期化を繰り返してみると、ノードのタイプがシャープとスムーズで入れ替わったり、ノードハンドルが大きく左右非対称に変化したりする様子がわかります。

平滑化を選択すると、各ノードをスムーズノードに変換してくれます。次の例では、ノードに沿ってを選択したとき(2番目)と、平滑化を選択したとき(3番目)とを比較してみました。

ノードをずらすのチェックをはずすと、ノードの移動は行われません。逆に言えばノードの追加やノードのタイプの変化は起こるということです。何の役に立つかというと、パスが変形されないまま「細かい」パスに変換されるので、他のエフェクトを適用したときの結果が変わってくるということのようです。
固定の変位量にチェックを入れると、直接指定した変位量に替えて、各セグメントの1/3の長さを変位量とします。変位量が相対的になるので、短いセグメントと長いセグメントが同じような粗さに変換されると思われます。ただ、1/3という固定値を変更する手段はないようです。
スプレーツール向きにチェックを入れると、このラフエフェクトを適用したパスを選択しておいて、スプレーツールを使ってそのコピーを並べていくときに、1つコピーする度に乱数生成のシードが初期化されて、結果的に1つずつが違う形のパスとして並ぶようになります。(これにチェックを入れていないと同じ形のままコピーされます。)
(参考:スプレーツールの詳細)