このページでは、Inkscapeのパスエフェクトの1つである、パスの両端と角の形について、基本機能を使ってスタイルとして設定可能な形よりももう少し細かい形の設定を可能としてくれるエフェクトを紹介します。
何らかのエフェクトを適用することでオリジナルパスを変形する際に、オリジナルパスの元々のノードとは別に、そのパスを見た目上変形するためのノードが内部で生成されることがありますが、そのノードの位置とノードハンドルを表示してくれます。
(参考:パスエフェクト/エクステンションとは)
(2023.03.21更新)
他のエフェクトによる変形の結果が、どんな形のパスになっているのかをノードの位置などから把握することができるようになります。
ここで表示されるノードやノードハンドルは、エフェクトによる変形のためにエフェクト内部で使われるものなので、キャンバス上に表示されるだけで、ノードツールを使ってもドラッグして編集することはできません。
また、ノードやノードハンドルを表す図形の表示自体も、オリジナルパスから変換することで行っているので、通常のノード等の表示とは違ってオリジナルパスのスタイルで描かれます。
その代わり(?)ノードツールを使っていないときも常に表示されていますし、大きさを自由に変更することができます。
次の例は、パスに沿うパターンエフェクトを適用した結果のパスの形を表示するために、ハンドルを表示エフェクトを使おうというものです。
まず、黒いパスをパスに沿うパターンを使って変形します。黒いパスをクリップボードにコピーし、次に曲げる形を表した青いパス(スケルトンパス)にパスに沿うパターンを設定して、パスを貼り付けボタンを押します。すると、右側のように青いパスの形に沿って黒いパスが曲げられているような絵になります。(参考:パスエフェクト:パスに沿うパターン)

このパスに沿うパターンが適用されたパスを選択して、追加で、ハンドルを表示エフェクトを適用します。すると、次のようにパスに沿うパターンで曲げられたパスの上にノードが表示されます。

オリジナルパスの角のところのノードのすぐそばに、全体を曲げるためのノードが増えていることが分かります。これらはパスに沿うパターンがパスを変形するためだけに生成しているものです。適用するエフェクトによってはもっとたくさんのノードが追加されている様子を確認することができます。
ここで注意として、ハンドルを表示エフェクトを適用すると、オリジナルパスのスタイルは自動的に消去されてしまいます。(それは現時点での仕様らしいのですが)
なお、ハンドルを表示エフェクトを適用した後からであれば通常通りスタイルを変更することはできます。ハンドルを表示エフェクトを使いたいだけであれば、オリジナルパスを複製しておいて、複製後のオブジェクトのほうにエフェクトを適用するようにすれば十分かもしれません。
ダイアログ上で設定可能なパラメータは次のようになっています。

ノードを表示、ハンドルを表示、パスを表示は、それぞれその通りの意味です。
次の例はハンドルを表示を選択したものです。

ノードの中心を表示にチェックを入れると、ノードを小さい四角形で描いたときにその中心に小さい丸を描きます。

オリジナルを表示にチェックを入れると、他のエフェクトが適用される前のオリジナルパスも同時に表示します。
ノードとハンドルを拡大/縮小を指定すると、その大きさで表示されます。