このページでは、Inkscapeで2個のオブジェクトを輪郭に沿った隙間ができるように重ねる方法を考えてみたいと思います。

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上の例のように2つのオブジェクトを重ねるときに、前面のオブジェクトの輪郭に沿って隙間が空くようにしたいときがあります。
簡単に考えると「オフセット」機能を使って少しだけ膨らませたオブジェクトの色を背景と同じ色にして、元のオブジェクトの後ろにぴったり重ねれば、隙間のように見えます。
もう少し具体的に言うと、まず周囲に隙間を作りたいオブジェクトを複製します。そして、複製によってぴったり重なっている2つのオブジェクトのうち後ろに重なっているほうのオブジェクトを選択しておいて「オフセット」操作を行います。オフセットによって膨らんだほうのオブジェクトの色を変えれば縁取りになります。

さらに縁取りにしたオブジェクトの色を背景と同じ色(例えば白)にすれば、後ろの重なっている他のオブジェクトとの間に隙間があるように見えます。

ただしこれはたまたまキャンバスの背景が白だから隙間のように見えているだけで、別の色の背景の上に持っていく度にその背景の色に合わせる必要があります。

そこで前面に重ねた色によって隙間かのように見えている縁取り部分を、重ならずに見た目通りの形になっている(つまり本当の意味で隙間のある)パスに変換します。
そのためには「パスに戻す」機能を使います。「パスに戻す」という操作を行うと、重なって見えなくなっている部分を除去して、見えている形そのままのパスにしてくれます。

さきほど背景と同じ色にすることで隙間かのように見えているオブジェクトを前後に重なっているオブジェクトまで含めて全部選択しておいて「パスに戻す」操作をします。すると見えている形の通りのパスになります。(なお、縁取りに使ったオブジェクトは不要なので削除しておきます。)

こうすると、どんな色の背景の上に持っていってもちゃんと隙間になっています。

なお、「パスに戻す」を実行した後のパスはとても複雑な形になる(ノード数も多い)のでさらに編集(例えば位置を変えたり)するのはほぼ無理です。「パスに戻す」を実行する前の状態のオブジェクトを別に取っておいて、いろいろ編集した最後の段階で「パスに戻す」を実行するのがよさそうです。

背景は自由に描けるので、いろんなケースに使えそうです。
