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Inkscapeの定番操作:編集一般

 このページでは、図形を入力する操作以外の定番の(だけどあまり紹介されていない)操作手順を紹介します。これに関連して新しい図形を入力するときの定番操作は「定番操作:図形の入力」のページで。

(2024.07.18更新)

最後に入力したオブジェクトを選択

 一番最後にキャンバス上に追加したオブジェクトを選択するには、シフト+タブを押します。シフト+タブを押すと、オブジェクトの重なり順(Z-order)で一番上にあるオブジェクトを選択してくれるので、一番最後(直近)に追加したオブジェクト(追加した直後は一番上にある)を選択することができ、最後に入力したオブジェクトが行方不明になってしまった(ズームとかスクロールとか繰り返してしまうとわからなくなりがち)場合にも簡単に見つけることができます。

 (参考:オブジェクトの選択操作

複数オブジェクトのロック

 複数のオブジェクトをまとめてロックすることで、一時的に編集不可能(選択も不可能)にするには、対象のオブジェクトをまとめて選択しておいて、右クリック > 選択オブジェクトをロックメニューを操作します。

 レイヤーとオブジェクトダイアログ上で複数のオブジェクトをまとめて選択しておいてオブジェクト一覧の右端のロックアイコン(南京錠のアイコン)をクリックしたり、オブジェクトが選択されているかどうかに関係なくロックアイコンその1からロックアイコンその2までマウスをドラッグすると「ここからここまでのオブジェクトをロックする」ということができます。

 バージョン1.2より前は、レイヤーとオブジェクトダイアログ上でロックするには、ロックアイコンをオブジェクトごとにクリックしていかないといけませんでしたが、バージョン1.3で修正されたようです。

 (参考:オブジェクトのロックと非表示

ページ枠の真ん中に配置する

 オブジェクトをページ枠の真ん中に配置するには、整列と配置ダイアログで整列する基準として「ページ」を選択してから中央に揃えるボタンをクリックします。(参考:オブジェクトを整列/配置する

パスのセグメントをまっすぐにする

 パスのノードとノードの間のセグメントをまっすぐにするには、Altキーを押しながらそのセグメントの上をダブルクリックするか、またはそのセグメントの上をクリックして両端のノードを選択してからツールコントロールバーの線を直線にというボタンを押します。

パスのノードを垂直/水平に揃える

 揃えたい複数のノードを選択した状態で、整列と配置ダイアログ上で、ノードを整列ボタンを押します。

 あるいは、スナップバーの同じパス内のノードにチェックを入れてからノードをドラッグすれば、他のノードと水平や垂直に揃う位置にスナップされます。

指定の角度に線を引く

 垂直または水平な直線はペンツールを使ってコントロールキーを押しながらドラッグすれば引くことができます。

 それ以外の特定の角度に直線を引くには主に2つの方法があると思います。

 1つ目の方法は、変形ダイアログを使うものです。ペンツールを使って水平(または垂直)な直線(パスオブジェクト)を描いておき(その方法は上に書いてあります)、そのパスオブジェクトを選択した状態で、オブジェクト > 変形メニューで表示される変形ダイアログの回転タブに指定する角度を入力して適用ボタンを押します。回転タブは相対的な回転操作の角度を指定するものなので、あらかじめ水平または垂直に線を引いてから回転させるのがポイントです。

 2つ目の方法は、ガイドラインを使うものです。どんな手順でもいいのでガイドラインを描き、そのガイドラインをダブルクリックすると表示されるダイアログで角度を指定します。そうするとガイドラインが回転してキャンバスに対して指定した角度のガイドラインになるので、ガイドラインへのスナップを有効にしておいてペンツールを使ってそのガイドラインに沿うようにパスを描きます。

シェイプやパスをトレースする

 Inkscapeではトレースによってパスを生成する対象はビットマップオブジェクトに限るので、それ以外のシェイプやペンツールで描いたパスなどをトレース対象にしたい場合は、まずそのオブジェクトを画像データとして一旦エクスポートし、それをビットマップオブジェクトとしてインポートしてからトレースする必要があります。

 ただし、単純な図形であれば、画像データにするステップを踏まずに、バケツツールを使ってトレースしたい境界線の近くをクリックすれば、バケツツールの塗りつぶし用に自動的に生成されたパスをトレース結果として入手することもできます。

 (参考:バケツ(塗りつぶし)ツールの詳細

2つのパスの重なっているノードで連結する

 別々のパスのノードがぴったり重なっている状態で、それらのノードのところでパスを連結するには、ノードツールでノードを表示した状態で、マウスをドラッグしてラバーバンドでそれらのノードをまとめて選択し、ツールコントロールバーの連結ボタンを押します。

 選択した時点でノードが表示されなくなってしまいます(おそらく重なっているせい)が、無理やり連結ボタンを押せば、2つのノードが1つに合体して、そこで2つのパスが連結された形になります。「重なっているノードを合体する」にも詳しく書いています。

 (参考:パスをつなぎ合わせる/切り離す

パスのノードの下に重なっているノードを選択する

 2つのオブジェクトが重なっているときはAltキーを押しながらマウスでクリックすれば下に重なっているオブジェクトを選択できますが、この操作ではパスの2つのノードが重なっているときに下に重なっているほうのノードを選択することはできません。

 本来な操作手順を見つけられなかったので自分で考えてみたのですが、選択したいほうのノードの隣のノードを選択しておいて、タブキー(またはシフト+タブキー)を押して隣の隣のノード(すなわち重なっているノード自身)を選択状態にすればよいかと思います。その上でマウスを使わずに矢印キーを押してノードを少し移動すればあとは自由に操作できるようになると思います。隣のノードの選択については「パスのノードを選択する」を。